農作業中の熱中症に注意しましょう
農作業中の熱中症に注意しましょう
農作業に従事する皆様にとって、夏季の暑さは避けて通れない課題ですが、その中でも特に注意が必要なのが熱中症です。特に、農作業熱中症は、適切な予防策を講じない場合、命に関わる重大な事故につながることがあります。
厚生労働省や関係機関による統計では、特に7月から9月までの期間において、多数の農作業者が熱中症で倒れ、その結果として死亡例も散見されています。この時期は最も気温が高くなる時期であり、特に注意が必要です。
農作業中の熱中症対策
最も重要なのは「予防策」の徹底です。具体的には以下のポイントがあります。
1.喉が渇く前に定期的に水分と塩分入り飲料を摂取しましょう。
2.気象情報を参考にしながら、小まめに休憩時間を設けましょう。
3.暑さがピークとなる午前11時から午後3時までの時間帯は、なるべく避けて作業を行いましょう。
4.通気性の良い長袖シャツや帽子などで直射日光から身を守りましょう。
熱中症対策グッズを活用しましょう。
5.1人での単独作業を避け、2人以上で作業を行いましょう。
以下の症状は熱中症かもしれません
・めまいや立ちくらみ
・筋肉痛や筋肉のけいれん
・大量の発汗
・体のだるさ、頭痛、吐き気
・呼び掛けに反応しない、まっすぐ歩けない
熱中症の疑いがあったら、すぐに応急措置をしましょう
(1)作業を中断し、涼しい場所へ移動しましょう。
(2)衣服をゆるめ、体を冷やして体温を下げましょう。
(3)塩分や水分を補給しましょう。
(4)応急措置をしても症状が改善しない場合には、医療機関で診察を受けましょう。
農作業現場における事業者の熱中症対策が義務化されました
令和7年6月1日より改正労働安全衛生規則が施行され、熱中症の恐れがある労働者を早期に発見し、その状況に応じ、迅速かつ適切に対処するとともに熱中症の重篤化を防止するため、労働者を雇用する農業者や、農業法人等事業者に対し、職場における熱中症対策が義務付けられました。
義務化された内容は、熱中症を生ずるおそれのある作業(注)を行う前に、
1.熱中症の疑いのある人を早期に発見し、対処するための体制整備
2.熱中症の重症化を防ぐための手順作成
3.熱中症対策の体制や手順を、従業員や関係者に周知しておくこと
(注)WBGT(湿球黒玉温度)28度または気温31度以上の作業場において行われる作業で、
継続して1時間以上または1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれるもの


