没後30年の寺山修司を偲び、多くの人々が集う

本年は寺山修司が亡くなってから30年の節目の年。三沢市を始め、全国で没後30年を記念するさまざまな事業や催しが行われています。寺山修司記念館では、5月3日から5日までの3日間にわたり『寺山修司記念館フェスティバル2013春』が開催され、集まった多くの人々が寺山修司へ思いを深めました。

 

命日にあたる5月4日には、市民の森・小田内沼を望む『寺山修司顕彰文学碑』の前に集まった1000人を超えるファンや関係者が、修司を偲び献花。その後、寺山修司へのオマージュとして、寺山修司記念館の佐々木館長と青森大学の演劇団『健康』と文学部『幸畑文学』の学生7人が舞踏家・福士正一氏と共演しながら、修司が晩年に作った詩『懐かしのわが家』を朗読しました。青春期における故郷との別れなどの想いが込められた詩を読む、若々しく力強い声に、ファンたちはじっと聞き入り、修司への想いを馳せていました。

 

また、記念館の屋外多目的スペースでは、寺山修司監督作品『草迷宮』でデビューした俳優の三上博史さんが『ロング・グッドバイ~寺山修司に捧ぐ~』と題し、朗読ライブを開催。ミュージシャンのエミ・エレオノーラさんが演奏するBGMの中で、寺山修司の詩を情緒豊かに読み上げました。寺山修司との思い出を振り返り「寺山不在の30年を少しでも埋められたでしょうか」と話す三上さん。最近見つかった未発表の寺山修司の詩を曲にした『ブルトンヌのパリの夜に捧ぐる唄』を披露しました。

 

ほかにも、会場内には、木工造形家simizzy(シミージー)さんの体験型作品が並ぶ『ムシムシコロコロ・パーク』を併催。ボランティアで参加した三沢高校生たちと一緒に、多くの来場者が「自由と想像力に満ちた遊びの空間」を満喫していました。