自給自足の野菜作り体験を通して生まれる異世代間のコミュニケーション 

7月13日、三沢市谷地頭にある農民研修所と周辺の畑で『じっちゃ・ばっちゃから学ぶ むがしのわらしっこ体験』の種植え体験が行われました。

 

この体験は、地域コミュニティーが衰退する現代の子どもたちに、おじいさんやおばあさんたちと交流しながら、昔ながらの伝統や文化、生活を体験することで「その日にあった人とも仲良くなれる」ようなコミュニケーション能力を身に付けてもらおうと、公益社団法人 三沢青年会議所が今回初めて企画・主催したもの。子ども自身に成長を促すため、保護者は参加対象外。今回実施した種植えと、10月に予定する収穫・昔遊びの体験の全2回を、青年会議所メンバーらが親代わりとなって支えます。また。『じっちゃ(おじいさん)』や『ばっちゃ(おばあさん)』から、『わらし(子ども)』だった頃の昔の野菜作りや遊びを学ぶのが本事業の大きなテーマ。今回はシルバー人材センターから7人の『じっちゃ』『ばっちゃ』、おいらせ農協から2人が協力参加し、小学生の子どもたち17人と青年会議所メンバー16人に畑づくりや野菜の種苗の植え方を教えました。

 

畑の面積は約1アール(10メートル四方)。前日までの雨で土に水分を多く含んでおり、野菜作りの素人には悪条件。下準備は既にできているとはいえ、種や苗を植えるためには、肥料をまいて土を混ぜ、土を掘ったり盛ったりして苗床や畝を作らなくてはなりません。大きな鍬を手に勇ましく挑戦するも、なかなかうまくできない子どもたちと青年会議所メンバー。そこへ、百戦錬磨の『じっちゃ』と『ばっちゃ』が登場です。若者ほど力はないはずなのに、魔法のようにみるみるできていく苗床。尊敬の眼差しを向ける子どもたちは、『じっちゃ』『ばっちゃ』に続いて苗床を作り、1時間半ほどかけてキャベツとネギの苗、にんじんと大根の種を植え終わりました。

 

最後に、子どもたちが書いた看板を立てて畑は完成。今後、子どもたちや青年会議所メンバーは草取りなど世話をしながら10月に予定する収穫体験を待ちます。大仕事を終えた子どもたちと『じゃっちゃ』『ばっちゃ』、そして青年会議所メンバーは、すっかり打ち解けた様子。「昔の自給自足や遊びを学ぶ子どもたちにとって貴重な体験なのはもちろんですが、おじいさんやおばあさんにとっても孫の世代にあたる子どもたちに教えることは喜びになるのでは」。そう話す三沢青年会議所青少年育成委員会の蛯名委員長をはじめとするメンバーは、異世代間で生まれたコミュニケーションをあたたかく見守っていました。