「食事の楽しさを味わってほしい」。多くの人の想いこもった三沢一おいしい給食

一般的に給食といえば、決まったメニューを一定の分量で全員が同じように食べますが、この給食はいわゆるバイキング形式。大きなテーブルの上に主食や主菜、副菜といった分類ごとに並んだ2~3種類の大皿から、子どもたち自身が料理を選び盛り付けます。大きな目的は、子どもたちに料理を選ぶ楽しさを味わってもらうとともに、栄養バランスや自分で食べられる量を考えながらの食事を学んでもらうことですが、順番を守ったり、次の人が料理を取りやすいように気を付けるなど食事のマナーや思いやりの心を学ぶ機会でもあります。また、嫌いな食材であっても自ら手を伸ばすことで偏食を治すきっかけとなったり、普段なかなか接することのない、給食を作る側のセンター職員と食べる側の子どもたちが触れ合うことで新たなコミュニケーションが生まれることも期待されています。

 

9月17日、前回の三川目小学校に続く2回目のバイキング給食が行われたのは上久保小学校。体育館に集まった6年生児童と教職員80人は、給食センターの栄養士から説明を受けた後、おいしそうに並ぶ数種類の料理に迷い、友だちと相談ながら、自分の食器に盛り付けました。前回のバイキング給食でも「子どもたちに食事を楽しんでほしい」と、エビフライやケーキなど通常の給食ではあまり出ないメニューが並びましたが、今回さらに新メニューが追加。地元食材であるごぼうやにんじん、たまねぎを練りこんだパンやながいもを入れた卵焼き、パイカ肉を入れたスープが登場しました。コストや作業量の問題から、市内全小中学校分を作る通常の給食メニューに入れることはできないものの、子どもたちに地元の特産物を味わってほしいとの想いから学校給食センターと市観光物産課などが協力し、農産物加工施設を利用するなどして調理してきたとのことです。美味しい食事は、食べた人を幸せな気持ちに、笑顔にしてくれるもの。先生はもちろん、地元食材生産者や給食センター、市職員など多くの人々が力を合わせた三沢一おいしい給食に、児童たちは満面の笑みを浮かべていました。