「自分らしく『イキイキ生きる』ためにはどうしたらいいか」を考える

 

10月13日、三沢市公会堂小ホールで家族介護者教室講演会が開催されました。

 

社会の高齢化につれて、深刻となっている介護や認知症の問題。介護を必要とする人が増加する一方で、抱える課題はより多様化しています。安心して年老い暮らせるまちをつくるためには、多くの人がそれぞれの立場から介護や認知症を身近なものとして正しく理解し、関わってもらうことが必要と考えた市は、介護予防教室『おらほの寺子屋』や各種啓発活動など、さまざまな取り組みを実施しており、今回の講演会もその一つ。公会堂小ホールに集まった約50人の参加者を前に、岩手県遠野市で活動する医療法人 希実(のぞみ)会の理事長、守口尚氏が、『イキイキ生きる』とはどういうことか、そのために何が必要かなどについて話しました。

始まってすぐ、ステージから客席に降りた守口氏は、参加者一人一人と顔を合わせるように歩きながら講演。在宅診療をする中で、末期の病に侵された患者と関わってきた日々の出来事や感じた想いを語りました。自宅療養を選び、家族とふるさとの景色の中で心穏やかに最期を迎えた患者たちの姿に「『病気ではないこと』と『イキイキ生きる』ことは同じではない。病にかかったとしても『どう生きたいか』を自分で考え、周りに伝えることが大切」と感じたという守口氏。最後に「人は一人で生まれ、一人で死にますが、たった一人だけでは生きられません。死を迎えるときに自分がどうしたいのか、家族や周りの人と話し合う機会をどうか持ってほしい」と伝えました。