人々の命や暮らし守ってきた防災林。再生願う人々の手で新たな苗木を植樹

 

10月26日、五川目地区の海岸で、防災林復興に向けたクロマツの植樹が行われました。

 

2011年3月の東日本大震災、大津波によって三沢市から八戸市まで約3.1キロメートルにわたり海岸防災林が被災。昭和初期から地元の人々が苦労して植えてきた松林は、津波の威力を弱め、漁船や流木による被害を抑えるなど、人々の命や財産を守りながらも、押し倒されたり塩害を受け、その一部が枯れてしまいました。過去数回押し寄せている津波だけでなく、飛砂や風を防ぎ、長年にわたり私たちの暮らしを守り続けている防災林。青森県では、少しでも早くその姿を元に戻そうと、国からの補助を得ながら復興に取り組んでいます。そこへ今回、三菱東京UFJ銀行を運営する三菱UFJフィナンシャルグループの一員、公益財団法人三菱UFJ環境財団が復興に少しでも役立ててほしいとクロマツの苗木1070本を提供。淋代や大津、前平などの地元町内会の人々に、第二中学校野球部や三沢小学校と水喰小学校(東北町)の児童たち、建設業・林業関係者など総勢約160人がこの植樹に参加しました。

 

主催者である青森県の担当者から防災林の役割と大切さを学んだ後に、植え方のレクチャーを受けた参加者は、30人ほどのグループに分かれて植樹を開始。風よけの板の後ろに埋められた黒土の入ったポッドに一つ一つ丁寧に、力を込め植えていきました。当日参加した三菱UFJ環境財団の事務局長は「一口に復興と言っても、心に受けた傷のことまで考えていくと果てしのないこと。そのことを肝に銘じ、皆さんと1本ずつ心を込めて植樹していきたい」と話し、第二中学校の野球部員たちは「全国大会出場を応援してくれた地域への恩返しになれば」とコメント。参加者それぞれに気持ちを込め植えたクロマツは、きっと大きく強く育つことでしょう。