高齢者の財産や生活守る「成年後見制度」を講談で学ぶ

 

成年後見制度とは、認知症や障害によって財産管理や介護・福祉サービス利用のための契約手続き・判断をすることが難しく、家族による助けも見込めない高齢者を専門家が支援する制度。判断能力に応じて本人または家庭裁判所が選ぶ成年後見人等によって、強引な訪問販売や振り込め詐欺といった悪質商法の被害から高齢者を保護し、必要とする介護・医療サービスの契約を代行するなど、高齢者が安心して生活を送れるように支援するものです。現在、国や各自治体、団体によって制度の利用普及が薦められており、三沢市でも広く制度を知ってもらうために11月15日、公会堂小ホールで初めて講演会が開催されました。

 

第1部では、講談師の神田織音氏が『講談で学ぶ成年後見制度』と題して、実話をもとにした3つのエピソードを講演。手にした張り扇で釈台を叩くことで場面を変えながら、認知症の老夫婦が悪徳訪問業者から被害を受ける様子などから財産を管理し、内容を正しく理解して契約することの大切さ、成年後見制度の必要性をわかりやすく伝えました。情緒豊かに語る神田氏の講演に聴き入った来場者は、その後の第2部で弁護士や特定非営利法人、県社会福祉会など専門家からさらに制度の利点などを学び、成年後見制度への理解を深めていました。