多分野のトップクリエイターが刺激を受けた『寺山修司の言葉』

 

寺山修司記念館の企画展『寺山修司の言葉展』が開催され、初日である11月30日、報道陣を対象にした記者会見が行われました。

 

三沢市で多感な少年時代を過ごし、詩人、小説家、劇作家など多くの分野で活躍、今なお全国・世界の人々に影響を与える寺山修司。氏の没後30年である今年、寺山修司記念館やテラヤマ・ワールドでは、さまざまな記念事業を行ってきました。そのフィナーレを飾るのがこの企画展。幅広い分野でデザインを手掛ける『e.m.(イー・エム)』が企画、多分野で活躍するトップクリエイターに制作を依頼し、"言葉の錬金術師"とも呼ばれた寺山修司の言葉からインスパイアを受けた15組の作品19点を展示する企画展が完成しました。東京都の伊藤忠青山アートスクエアにおいて10月14日から11月4日まで開催した際には、若い世代を含め多くの人々が訪れたとのこと。「ぜひ寺山修司に縁のある三沢市でも開催してほしい」との声によって、寺山修司記念館への巡回展が実現しました。

 

「寺山修司の前衛的な部分よりも、原点である言葉の部分を理解してもらおうと活動してきたこの館にぴったりの企画展。寺山の言葉が『言葉』として歩み始め、若い作家のみなさんを感動・触発し、私も思いつかないような作品を生んでいます。見てくれた方にも『この言葉に触発されてこんな作品ができるのか』と感じてほしいし、もし好きな寺山の言葉があったら『自分だったらこんな表現をしたいな』と考えてほしい。青森の人たちに理解するきっかけになれば」と企画展開催にあたり思いを伝えた同館の佐々木館長。

この日、企画展の準備に駆け付けていた『e.m』の飛田代表取締役らと一部クリエイターが、報道陣に企画展の概要や開催意図、さらには自身の作品の解説を行いました。30歳~40歳代が中心のクリエイターの作品は多様ですが、皆、寺山修司に想い入れが強く、言葉をピックアップしたり作品にするにはかなりの時間が要したとのこと。作品とそれを生むきっかけとなった寺山修司の言葉に、それぞれのクリエイターが強い想いを込めていることが伝わってきました。展示を企画した『e.m.』の飛田代表取締役は、「この企画展によって私たち自身もより寺山修司を知ることができました。まだ寺山修司をよく知らない人にも、寺山修司をしるきっかけになればうれしいです」とコメント。佐々木館長も「青森の人が寺山修司を理解するきっかけになれば」と話していました。

展示会場内では『寺山修司の言葉を持ち帰ることができる』さまざまなグッズも販売。この企画展は平成26年3月末まで開催される予定です。

 

寺山修司記念館ホームページ