大学生から社会人へ、自身の経験からスポーツ指導の重要性を説く

 

2月1日、三沢市国際交流教育センターで『スポーツ指導者倫理講演会』が開催されました。

 

これは、スポーツの指導や競技について昨今さまざまな報道がされる中で、今一度、スポーツの在り方や指導への考え方を見つめ直す必要があるのではと考えた財団法人 大三沢柔道協会が主催した講演会。箱根駅伝常連校である中央大学陸上部に在籍し、現在は青森銀行に人事部長として勤務する森庸氏が講師を務め、「スポーツに通じた人間形成とは?」と題して講演しました。

瀬古選手に憧れて陸上を始め、中央大学陸上部へと進んだ森氏。体育会系の上下関係や画一的な練習法、全国から集まったライバルとの競争など、当時の厳しい環境を振り返り、それでも「日本におけるスポーツと根性は切り離せない。根性とは自分の限界を打ち破る力。その本来備わっているが気付かない能力を引き出すのが指導者の力」と話しました。また、「社会が豊かになり、根性やハングリー精神が薄れてきた今、選手が『勝ちたい』という欲求に導くことが指導者に求められている。選手目線で教えることが大事ではないか」と指摘。青森銀行に就職後は、上司となり人事部長として勤務する現在までにさまざまな出来事を経験。その要所に、スポーツで得た自己管理や創意工夫する能力や経験が生きてきたと話す森氏。「選手は一人一人違う。短所を直すより長所を伸ばすことが大きく成長することもある。指導者は選手の心を理解し、伸ばせる、よい心理学者であるべき」と、スポーツにおける指導の重要性を伝えました。

 この日、市内で活動するスポーツ団体の指導者を中心に集まった参加者は約60人。自身の経験や考えと照らし合わせるように時折頷きながら、熱心に氏の講演へ耳を傾けていました。