ファシリテーターは話し合いの舵取り役。その知識や技術を学び、実際に体験。

 

2月22日、三沢市国際交流教育センターで『ファシリテーター養成講座』が開催されました。

 

ファシリテーターとは、人々の活動が容易に運ぶよう支援・舵取りする人のことで、会議で言えば進行役。議事をリードする議長とは異なる手法で、有意義な話し合いにするための重要な役割を果たします。三沢市が進める、市民と行政がそれぞれに役割を担う『協働のまちづくり』の中では、地域の人々が自ら話し合うことが大切。その鍵となる人材を育てようと市が初めて開催した今回の講座に、関心を持つ年齢、性別、仕事や活動も多様な23人が参加し、市民活動推進講座でも講師を務めた、あおもりNPOサポートセンター常務理事兼事務局長の三澤章氏から約5時間にわたってファシリテーションを学びました。

 

まず始めに、互いに自己紹介し合うことで参加者の緊張を解した三澤氏は、「会議では参加者が主役。ファシリテーターは意見を言わず、舵取りをしながら、参加者が意見を出し、整理し、結論に達するための支援をします」など、その役割を参加者に分かりやすく説明。また、会議をする上で重要な4つのステップ(『場をつくる』、意見の『発散』、意見の『収束』、グループで発表し総意を選択・決定する『活用』)を紹介し、参加者自身に会議の時間や進行にまで意識を持たせることの大切さなどを伝えました。昼食・休憩の後は、5つのグループに分かれた参加者が特定のテーマについて話し合いを実施。4つのステップに沿って話し合いを進め、参加者一人一人が順番にファシリテーターを体験しました。

「話し合いの場を和ませ、意見を出しやすくするのも大切」と話す三澤氏の言葉通り、各グループは活発に意見を出し合いながらも和気あいあい。話し合いを重ねながら、付箋紙やホワイトボードに意見を書き出し、まとめていきます。各グループをまわり、状況を見ながらファシリテーションのコツを伝えていく三澤氏。アドバイスを受けた参加者の話し合いは、さらに活発化していきました。また、老若男女、さまざまな人が集まった今回の講座でも特に注目を集めたのは、三沢高校ボランティア部の生徒たち。若者の視点から課題を捉える生徒たちへ、周りの大人たちも上手に発言を促し、意見を引き出していました。話し合いの結果を発表するまでの一連の流れを体験した参加者は最後に、自身や他の参加者のファシリテーションを評価。「つい自分で意見を言ってしまう」「意見を引き出すには知識が必要と感じた」など、その難しさを口にしつつも、ファシリテーターが舵とりする話し合いの有意義さを感じていたようでした。