三沢の歴史・自然
歴史
青森県は縄文文化の宝庫であり、三沢市でも数多くの遺跡が発見されています。小川原湖周辺の野口貝塚や早稲田貝塚は特に有名で、野口貝塚から出土した縄文晩期の土器は、西津軽郡木造町の亀ヶ岡遺跡に匹敵する精巧なものであるとされています。
「三沢市歴史民俗資料館」では、これらの考古資料や漁具、民俗芸能の神楽面、古文書など、幅広い歴史の資料を数多く収蔵しています。また、小川原湖の珍しい動植物の標本なども展示され、自然豊かなこの地で昔からの生活や環境にふれることができます。
三沢市の土地は、藩政時代には盛岡南部藩最大の牧場”木崎牧”が広がっていたところで、明治以降も淋代平共有牧場、村営牧場と引き継がれ、馬産地として長く知られてきました。今でも郊外では草をはむ馬や牛の情景が見られ、当時を偲ぶことができます。また、太平洋戦争前に日本海軍が建設していた三沢飛行場(基地)を、戦後、米軍が接収して拡張したことにより人口も急激に増加し、異国情緒溢れるまちとして発展してきました。このように三沢市は、縄文遺跡埋蔵の地、広大な牧場の跡地、空港、そして全国でも珍しい砂浜海岸に建設された漁港のある街として、多彩な顔と歴史を持っています。
自然
冷涼な気候のため、平地でもミツガシワやニッコウキスゲ、モーセンゴケなど珍しい高山性の植物を見ることができる三沢市。東は太平洋、西は小川原湖に囲まれ、森林や台地、草原、水田、干潟、湖沼、海岸など変化に富む環境となっています。
市の中心部から車で20分ほど北上したところに広がるヨシ草原は、自然の宝庫、ラムサール条約登録湿地「仏沼」です。
仏沼は国際的に絶滅の恐れがあるオオセッカやコジュリン、シマクイナ、日本の絶滅危惧種のチュウヒなど希少な野鳥が生息しており、ガン・カモ類やシギ・チドリ類など多くの渡り鳥の重要な中継地ともなっています。また、エゾカワラナデシコやキタノコギリソウ、エゾナミキソウなどの野草を見ることもでき、自然を楽しむ多くの人々が訪れています。
市の太平洋岸は打ち寄せる波と砂浜が広がり、サーフィンの好ポイントとして知られています。
小川原湖周辺は「市民の森公園」が整備され、青い空と緑豊かな自然とともに余暇を満喫することができます。
穏やかな波が寄せる湖畔にはオートキャンプ場やバンガローがあり、周囲を巡る遊歩道を歩くと、澄んだ空気の中、鳥たちの鳴き声が響きます。また、野球場やテニスコートでは、爽やかな汗を流すことができます。
加えて、三沢市では温泉掘削が盛んに行われ、市民の森内の市営温泉(やすらぎ荘)のほか、市内各所に温泉公衆浴場があります。