支えてくれた多くの人々へ、感謝とともに贈る最高の演奏・演技

 

12月21日、三沢市公会堂大ホールで、青森県立三沢商業高等学校吹奏楽部の第37回定期演奏会が開催されました。

現在62人の部員で活動する同部は、県内有数の吹奏楽実力校。また、マーチングバンドにも並行して取り組み、東北大会では5年連続の金賞を受賞。12月14日出場したマーチングバンド・カラーガード全国大会では、東北地区代表中最高の評価を得て銀賞に輝きました。さらに、アメリカンデーや三沢まつりなど地域のイベントにも数多く出演し、美しい演奏・演技を披露。地域の人々に愛され親しまれています。しかし、その活動は過酷。運動部にも匹敵する運動量と一糸乱れぬ正確さ、観客を感動させる表現力などを求められるマーチングと高いレベルの吹奏楽を、早朝から遅くまで休日も費やし、ひたすら練習してきました。この定期演奏会は、その成果を地域の人々に披露できる機会であり、3年生にとっては高校における最後の舞台。会場には、同部の演奏・演技を楽しみに約1000人の観客が来場。『Keep Holding On』をテーマに、3部構成のステージが始まりました。

第1部では吹奏楽コンクール課題曲など4曲を演奏し、続く第2部、全国銀賞を獲得した今年のマーチング『津軽の夏-NEBUTA-』を公会堂ステージ用にアレンジして披露。『静』と『動』、練習重ねた演奏・演技は観客を魅了。客席から大きな拍手が送られました。そして、最後の第3部。部員自ら考え演じる演奏劇『Legend~聖夜に舞い降りる奇跡~』は、人々が手を取り合いながら困難を乗り越える物語です。途中、ステージ前に並んだ3年生14人は手をつなぎ合唱。部長の山白七海さんが、あふれる涙と込み上げる想いに声を詰まらせながら、これまでを振り返りあいさつしました。

ついてきてくれた1年生と支えてくれた2年生への感謝。時に衝突しながらもその度に心を開き、家族のように絆を深めた3年生への想い。「ここまでやってこれたのは先生や父母会、OB・OGの皆さん、家族、友達がいたからです。これからも三沢商業高校吹奏楽部の応援をお願いします」と話す山白さんの横には、長い時間を共に過ごした仲間が。瞳に涙をいっぱいに溜めながら、気丈に、笑顔で感謝の気持ちを伝えました。3年生のソロ演奏など盛りだくさんの第3部が終了しても鳴り止まないアンコールの拍手に、ディスコナンバーのメドレーで応える部員たち。幕が閉じた後は、公会堂出口で観客一人ひとりに「ありがとうございました」と声を掛けながら見送っていました。