耕作放棄地の解消や耕畜連携の取り組みが評価されて受賞

 

3月27日、市北部で水田の区画整理や水路の維持管理などを行う北三沢土地改良区の沼田勝美理事長ほか4人が市長室を訪問。全国土地改良事業団体連合会主催の平成26年度『農業農村整備優良地区コンクール』において、県内初の農林水産大臣賞受賞を種市市長に報告しました。

 

約800ヘクタールの水田を有するものの、気候に恵まれず何度も冷害に見舞われた同改良区は、年々耕作放棄地が増加。点在する水田を維持する負担も大きくなっていました。追い打ちをかけるように高齢化や離農により後継者不足が深刻化。地域農業の将来に危機感を感じた沼田理事長はじめ役員らは担い手が活躍できる土台を作ろうと、平成22年から水田を一か所に集約し100ヘクタールの団地を形成、排水性も高める基盤整備事業に着手しました。この事業により、生産性の大幅な向上と農家が負担する維持管理費を削減したとのことです。

さらに、地区内14戸の農家と従業員4人からなる農事組合法人「フラップあぐり北三沢」を設立。整備された水田ほぼ100%を利用し、平成24年から飼料米や稲発酵粗飼料(WCS)などの生産を開始。畜産農家の堆肥と交換するシステムを確立したことで全国的なモデルケースとなりました。

これら一連の事業が高く評価され、北三沢土地改良区は生産性の高い農業や個性ある農村振興を進めた地区を表彰する同コンクールで最高の栄誉に輝きました。報告を受けた種市市長は、「三沢の誇りであり、青森県の誇り」と称賛。ここに至るまでの苦労をねぎらいました。沼田理事長は「整備された圃場を見たらやる気を出す農家も出てきた」と語り、今後は担い手の育成に向けた事業や地区内に残る耕作放棄地の解消などに取り組みたいと抱負を述べていました。