支援者への感謝を忘れず、太平洋から昇る朝日のように 

11月19日、三川目小学校で学習発表会が行われました。

 

3月の東日本大震災で多くの人が避難した同校の体育館で行われた、震災後初の学習発表会。お父さんやお母さん、地域の人々や教育関係者を合わせて約200人が駆けつけ、子どもたちが日頃学習した国語や体育、練習を重ねた劇・音楽劇の発表を見守りました。

内容はどれも一生懸命練習してきた成果が表れていて、観客の皆さんは自分の子どもでなくてもその姿から笑顔と元気をもらっているようでした。中でも4年生は昔話の「浦島太郎」をモチーフにした音楽劇「Urashima Taro Continue」を劇・歌・ダンスで表現。震災で大きな被害を受けた学区内にある三沢漁港を劇中に出し、復興を力強く呼びかけました。

 

「みんなえがおで 心 きらめけ」をテーマにした学習発表会の最後は、全校生徒で「ふるさと」などを合唱しました。

 

この日は第一部の学習発表会に引き続き、第二部として「海鳴り太鼓復興を感謝する会」を開催。

東日本大震災の津波で流された同校の「海鳴り太鼓」は、地域の人々や教職員の働き掛けで5月の同校運動会で復活の狼煙をあげ、その後地域をはじめ県内外からの心温かい総額304万円にのぼる寄付や協力により11月に18個の太鼓と用具が全てそろい、この日、感謝とともにお披露目されました。

 

PTA会長も務める「海鳴り太鼓復興協賛会」の千葉会長は「PTAでは子どもたちのために悩み考え、どうするかから始まり、海鳴り太鼓を元に戻そうと地域の皆さんと前に進んできました。地域の方には寄付と心配をしていただき、県内からも寄付いただき本当に感謝しています。新しい太鼓を前にした子どもたちの初々しい表情は忘れることができません」とあいさつ。多大な援助・協力に感謝し、銀座連合町内会、三川目町内会、鹿中町内会、宮本卯之助商店、金橋太鼓店、丸和建具センターに感謝状が贈られました。(3町内会以外はこの日欠席)

 

同校の岩舘校長は、弘前市の津軽伝統ねぷた絵師・八嶋氏が作った真新しいオリジナルの半纏を手に「右肩に描かれた赤い丸は太平洋を望む三沢漁港に昇る朝日をイメージしたもので、屋島氏と子どもたちに聞いたイメージが不思議にも一致していました。この朝日のように海鳴り太鼓と三川目小学校がますます発展していくよう願いが込められています」と氏への感謝とともに紹介。また、地域の皆さんや県内外からの寄付に心から感謝し「震災のこと、支援者への感謝を忘れないように。そして、子どもたちにはつらいことがあってもくじけないように生きてほしい」と力強く伝えました。

 

最後に新しい半纏を身にまとった5・6年生が、力を尽くしてくれた地域の人々や教職員など支援者を前に復活した海鳴り太鼓を披露。復活した太鼓とその力強い音色は、子どもたちの願いとそれに応えた地域をはじめとする多くの人々の心の証。これからもずっとこの地域の、そして三沢の象徴として鳴り響くことでしょう。