勇気ある行動で人命救助に協力

1月27日、三沢市消防本部の消防長室において、人命救助による消防協力功労者への表彰が行われました。

 

表彰を受けたのは、市内デイサービスにパートタイムの介護員として勤務する、市内在住の箱石奈穂子さん。

 

箱石さんは平成23年12月7日の午前8時40分頃、勤務するデイサービスの通所者を送迎中に千代田町1丁目145番529号前付近の交差点で軽自動車2台による接触事故を発見。 横転した1台の車に歩み寄るもう1台の車の運転手らしき外国人女性を見て、通報などに困るだろうと思い、自分の携帯で110番通報しました。さらに、横転した車内運転席でシートベルトをしたままぐったりしているおばあさんと助手席部分にたっている5歳の子どもを発見した箱石さんは、周囲に集まった住民の男性らの協力を受けながら横転した車の上に乗り、上側になった助手席ドアを開いて車内に入り子どもを救助。おばあさんからはシートベルトを外したものの、ぐったりとした様子から動かさないほうが賢明と判断し、救急隊員が駆けつけるまで安心させるよう声をかけつづけたとのことです。

 

また、もう一方の不安そうに泣く外国人女性にも英単語を使って救急隊員が駆けつけることを伝え、さらに子どもの服装が自分の子どもが通っていた幼稚園であったことから、自分の携帯で幼稚園に電話し、子どものお母さんに事故を知らせました。

 

子どもを救助する際に手が届かなかったことから、子どもの足元に箱を置いた箱石さんの冷静な判断には救助隊員も感心したとのこと。車両の転倒や火災など危険な状況だったにもかかわらず、人命を救おうとした箱石さんの勇気ある行動に「自分の危険を顧みず救助することはなかなかできない行動。市民の模範です。本当にありがとうございました」と消防長は感謝の言葉と共に感謝状と記念品を手渡しました。

 

箱石さんは「その時は何も考えていませんでした。とっさに体が動きました。見てしまったので通り過ぎることはできませんでした。通所者を送迎する途中でもあり、後からその行動がよかったのか考えましたが、人としてはよかったと思います。この2週間前に事故らしき車を見つけたのですが、その時は通り過ぎてしまった後に気になってひきずっていました。そのこともあって今回迷わず動けたのかなと思います」とそのときの思いを話してくれました。