「寺山修司」をもっと身近に

寺山修司との思い出を話す九條今日子さん1月21日、寺山修司市民大学の最終講義が総合社会福祉センターで開催されました。

この市民大学は「難解」なイメージのある寺山修司とその作品に親しんでもらいたいと、寺山修司が三沢に住んでいた当時の同級生らが集まった市民団体「寺山修司五月会」が平成21年度に開設したものです。今年度は短歌・演劇・観光の3学科でそれぞれ5講義づつが行われ、延べ約80人が参加。最終講義となったこの日は短歌学科の受講生が実際に作った短歌の批評や、観光学科のまとめを行いました。

寺山修司記念館への宿泊や三沢へ来る電車内で演劇を行う「寺山電車」などの「寺山修司」を観光に生かすための多くの提案が出された観光学科では、寺山ゆかりの地を訪ねるツアーと寺山の好んだ食べ物で構成する「寺山定食」を作る企画をモデル事業として進めていくことが発表されました。

また講義の最後には市民大学の学長であり寺山修司の元夫人である九條今日子さん、寺山修司の父の研究をしているフリーライター世良啓さん、劇団「天井桟敷」の元メンバー・佐々木英明さんの3人による対談が行われました。「寺山が弟のように思っていた」という佐々木さんと寺山修司の出会いや劇団の海外公演での出来事、「役になるのではなく自分になれ」と方言を矯正しなかった独自の演出方法や、世良さんの寺山修司の父に関する研究成果など、寺山修司に関する多くの逸話が披露されたこの対談。中には九條さんも知らなかったエピソードもあり、集まった受講生は熱心に話を聞いていました。 

それぞれに寺山修司と深く関わった3人の対談はこれまであまり語られることのなかった寺山修司の一面に触れるものがあり、受講生は寺山修司を身近に感じることができたはずです。