多くの人々の愛情が詰まった新園舎

式辞を述べる淋代福祉会の月館理事長

6月2日、淋代保育所において、新園舎の落成式が行われました。

 

1960年に開設した同保育所は、2011年3月11日に起こった東日本大震災による津波に園舎が飲み込まれ、地域をはじめ多くの団体・個人の協力を受けながら淋代地区コミュニティ集会施設に間借りして保育を行ってきました。また、市災害復興委員会プロジェクトチームや多方面からの支援を受けて1年足らずで新園舎が完成。2012年3月12日から園児たちは新園舎で保育を受けることができ、被災した年長園児も念願だった卒園式を迎えることができました。新園舎は子どもたちの安全性を優先し、効率的に保育活動がしやすいように各所に職員のアイディアが盛り込まれた延べ床面積約306平方メートルの施設。当時は未完成だった園庭部分の工事も終わり、関係者や保護者の祝福を受け、同保育所を運営する社会福祉法人淋代福祉会の主催によって晴れてこの日、落成式を迎えたものです。

 

式の中で淋代福祉会の月館理事長は、「この1年は感謝の気持ちを子どもたちと共に学んだ1年でありました。不可能とまで思っていた新園舎から卒園児を送り出すことも夢にまで見た嬉しい出来事でした」と話し、延べ80件に及ぶ個人・団体から受けた支援を感謝とともに紹介。また「今後は皆さまへの恩返しのため、心豊かで明るい子どもを育成し、一人一人を大切に保護者・地域からも愛され地域に根差した保育を頑張っていきます」と約束し、設計と建設工事を請け負った有限会社高村設計の高村代表取締役と株式会社小坂工務店の小坂代表取締役、それぞれに感謝状を手渡しました。

 

種市市長をはじめ来賓から祝福と労いの祝辞を受け、最後に淋代保育所の森谷所長が謝辞。これまでの出来事を振り返り、力添えいただいた多くの人々に職員を代表して深く感謝しながら「東日本大震災をとおしてたくさんの方々と出会い、さまざまなことを学びました。皆さま方の愛情が詰まった立派な園舎に恥じることの無いように感謝の気持ちを忘れず、職員一同より一層の努力に励みます」と決意の想いを伝えました。

感謝状を受け取る㈲高村設計代表取締役
感謝状を受け取る(株)小坂工務店代表取締役
謝辞を述べる淋代保育所の森谷所長
じっと聞き入る淋代保育所の保育士たち