三沢市の誇り、地域の誇りとなるように舞いたい

10月3日、今年で創立90周年を迎えた岡三沢小学校で地域の伝統芸能、岡三沢神楽が舞い踊りました。

 

これは、市教育委員会が伝統文化理解を深めることを目的に開催する歴史民俗資料館公開講座の一つ。会員のほとんどが同校卒業生である「岡三沢神楽保存会」によって、体育館に集まった全校児童約770人に岡三沢神楽が披露されました。

 

始めの演目は「権現舞(ごんげんまい)」。獅子頭を生きているかのように操って、ステージを縦横無尽に踊り回る演者たち。ほとんどが岡三沢神楽を観るのはこの日が初めての児童たちは、静と動が同居する舞いに興味深く見入っていました。

 

次の演目「三番叟(さんばそう)」では岡三沢神楽保存会に所属する同校6年生の山本健介くんと、山本晋平くんが出演。若き後継者たちが美しく踊る姿は、長年の伝承者たちの力を授かったようでした。

 

2人が岡三沢神楽を踊るようになったのは、親や兄弟に誘われたのがきっかけ。同級生の前で初めて舞った2人は緊張が解き放たれたように笑顔を見せ、「練習を続けていくうちに上手に踊れるようになるのが楽しかった。仲間が増えてくれるのを願いながら、約800年という歴史ある岡三沢神楽をこれからも続けていきたい」と話していました。

 

長い伝統を誇る岡三沢神楽は2年前、念願かなって県無形民俗文化財に指定されました。昭和30年代以降、踊り手不足から存続が危ぶまれた時期もありましたが、平成10年頃、地域に声をかけてなんとか集まった新たな仲間たちと共に古い演目を徐々に復元し、今では23種類の演目を実現できるまでに至りました。

 

存続の危機を経てもなお、何世代にもわたり伝承されてきた貴重な民俗芸能。これからも岡三沢神楽保存会はこの、大切な「岡三沢神楽」を伝承していきます。