震災がれき付着の外来種。漂着地に与える影響を調査

3月19日、米国オレゴン州立大学研究員らが三沢漁港を訪れ、同所に生息する海洋生物の調査を2日間にわたって行いました。

 

東日本大震災の津波によって流された三沢漁港の浮桟橋が、昨年の6月に米国オレゴン州の海岸に漂着。現地において調査したところ、1年以上漂流していた浮桟橋には日本由来の生物が多数付着していたとのことです。他国から漂着する外来種は、地元の漁業対象種を食い荒らすといった深刻な被害をもたらすことから、付着していたカニやヒトデなど100種類以上の生物の駆除が行われました。

 

しかし、今後も震災がれきなどが漂着する恐れがあることから、今回、米国オレゴン州立大学の研究員が自ら来日し、地元在来種に及ぼす影響を研究するため三沢漁港の生物を詳しく調査。初日は、研究員らが漁港内にある浮桟橋付近の海中を1時間ほど潜水し、生物サンプルを採取。『アカフジツボ』や『ムラサキイガイ』、『ユウレイボヤ』をはじめ、50種類以上の在来種を確認しました。

オレゴン州立大学の研究員に同行し、ともに米国でも調査を行った東邦大学の風呂田教授は、「オレゴン州の人たちは津波による被害を非常に心配しています。震災がれきが漂着しても、文句を言わず受け入れてくれている一方、有害な外来種が侵入してこないかという警戒心も持っています」と、現地での様子を伝えていました。

採取した生物サンプルは、日米の各専門機関に持ち帰ったのち、遺伝子解析などの精密調査を実施するとのことです。

▲『アカフジツボ』

▲『ムラサキイガイ』

▲『ユウレイボヤ』