○三沢市文化財保護条例

昭和39年7月27日

条例第22号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)及び青森県文化財保護条例(昭和29年青森県条例第18号。以下「県条例」という。)で指定した文化財を除き、特に三沢市にとって貴重な文化遺産を保護して将来に伝え、かつこの活用をはかって市民の郷土に対する認識を深めるとともに、精神文化の向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例で三沢市文化財(以下「市文化財」という。)とは、現に三沢市の区域内にあるもので次に掲げるものをいう。

(1) 建造物・絵画・彫刻・工芸品・書跡・典籍・古文書・その他の有形の文化的所産で市にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの及び考古資料(以下「有形文化財」という。)

(2) 工芸技術・芸能その他の無形の文化的所産で、市にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)

(3) 衣食住・生業・信仰・年中行事等に関する風俗・慣習及びこれに用いられる衣服・器具・家屋その他の物件で、市民の生活の推移を理解するため欠くことのできないもの(以下「民俗資料」という。)

(4) け有又は著名な由緒のある動物・植物・地質・鉱物等で学術上価値の高いもの及び貝づか・古墳・城跡・住居あと・旧宅等の遺跡で郷土史、特に文化史上価値の高いもの(以下「史跡天然記念物」という。)

第2章 文化財審議会

(設置)

第3条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項本文の規定に基づいて、三沢市教育委員会(以下「委員会」という。)の附属機関として三沢市文化財審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(任務)

第4条 審議会は、三沢市の区域内に存するすべての文化財の保存及び活用又は管理に関し、委員会の諮問に答え意見を具申する。

(定数)

第5条 審議会の委員の定数は5人以内とする。ただし、特別の事項を審議する必要があると認めるときは、臨時に委員を置くことができる。

(委嘱)

第6条 委員は、市内在住又は市内に勤務先を有する学識経験者のなかから委員会が委嘱する。

(任期)

第7条 委員の任期は、2ケ年とする。ただし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。

2 臨時委員は、当該審議が終るまで在任する。

3 委員会は、特別の事由があるときは、前2項の規定にかかわらず、委員の職を解くことができる。

(会長)

第8条 審議会に会長を置く。会長は委員の互選により定める。

2 会長は、会務を総括し会議の議長をつとめる。

3 委員会は、会長に事故あるとき又は会長が欠けたとき、その職務を代理する委員をあらかじめ定めておかなければならない。

(会議)

第9条 審議会の会議は、委員会の諮問により会長が招集する。

2 審議会の会議は、委員の半数以上の出席がなければ開くことができない。

第3章 文化財の保存及び活用

(指定)

第10条 委員会は、文化財のうち重要なものを市文化財に指定することができる。

2 委員会は、無形文化財を指定するにあたっては、当該無形文化財の保持者を認定しなければならない。

3 委員会は、無形文化財以外の文化財を指定するにあたっては、あらかじめ指定しようとする文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合はこの限りでない。

(指定等の解除)

第11条 委員会は、市文化財が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その指定を解除することができる。

(1) 市文化財が滅失したとき。

(2) 市文化財が著しくその価値を失ったとき。

(3) 市文化財が市の区域外に移ったとき。

(4) 市文化財が法第27条・第56条の3第1項第69条第1項及び第2項並びに県条例第3条の指定を受けたとき。

(5) 委員会は、市無形文化財の保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の事由があるときは、その認定を解除することができる。

(6) 前各号に定めるものを除くほか、委員会が必要と認める事由のあるとき。

(指定及び解除の審議)

第12条 委員会は、第10条又は前条の規定により市文化財を指定し、若しくは認定し、又はその指定等を解除しようとするときは、審議会に諮問しなければならない。

(指定書等の交付及び告示)

第13条 委員会は、第10条の規定による指定又は第11条の規定による解除をしたときは、その所有者又は技能保持者に指定書若しくは認定書を交付し、又はこれを回収して解除の通知をし、かつ、その旨を告示しなければならない。ただし、指定等及び解除は、告示があった日からその効力を生ずる。

(保存地域の設定)

第14条 委員会は、市文化財保存のため必要があったときは、地域を定めて市文化財を滅失させるような行為を制限し、若しくは禁止することができる。

(保存施設)

第15条 委員会は、第10条の規定による文化財の指定をしたときは、関係人と協議して必要な保存施設を設けることができる。

(管理義務)

第16条 市文化財の所有者又は占有者は、この条例並びにこれに基づいて定める委員会規則及び委員会の指示又は勧告に従い、市文化財を管理しなければならない。

(経費の負担)

第17条 市文化財の管理又は修理に要する経費は、所有者の負担とする。ただし、多額の経費を要し、所有者がその者がその負担に堪えない場合、その他特別の事情がある場合には、予算の範囲内でその経費の一部を補助することができる。

(補助金の返還)

第18条 前条の規定により補助金の交付を受けた所有者が、次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、補助金の全部又は一部の返還を命ずることができる。

(1) 管理又は修理に関し条例又は委員会規則に違反したとき。

(2) 補助金の交付を受けた目的以外に使用したとき。

(3) 市文化財を譲渡したとき。

(届出事項)

第19条 市文化財の所有者等は、次の各号のいずれかに該当する場合は、その旨をすみやかに委員会に届け出なければならない。

(1) 市文化財について権限の移動の生じたとき。

(2) 市文化財が滅失又は損傷したとき。

(3) 市文化財の所在地を変更したとき。

(4) 所有者等の氏名若しくは名称又は住所が変更したとき。

(5) 市文化財を修理するとき。

2 前項第1号の場合にあっては、関係人の連署を必要とする。

(財産権の尊重及び他の公益との調整)

第20条 委員会は、この条例の施行にあたっては関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに文化財の保護と他の公益の調整に留意しなければならない。

(承認事項)

第21条 市文化財の所有者等は市文化財に対して、次の各号のいずれかに該当する場合においては、あらかじめ委員会の承認を受けなければならない。

(1) 現状を変更しようとするとき。

(2) 保存の方法を変更しようとするとき。

(3) 補助金を受けた市文化財を他人に譲渡し、又は市の区域外に移そうとするとき。

(報告)

第22条 委員会は必要に応じ所有者等に対し、市文化財の現状又は修理等の状況につき報告を求めることができる。

(公開)

第23条 委員会は、市文化財の所有者等に対し委員会の行う公開の要に供するため、当該市文化財の公開又は出品を勧告することができる。ただし、公開又は出品に要する経費は、市の負担とする。

2 公開又は出品したことにより当該市文化財が滅失又はき損したときは所有者に対し、通常生ずべき損害を補償することができる。ただし、所有者の責に帰すべき事由によって滅失し、又はき損した場合はこの限りでない。

(委員会規則への委任)

第24条 この条例に定めるもののほか、審議会に関するもの及び市文化財の保存と活用に関し必要な事項は、委員会規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

三沢市文化財保護条例

昭和39年7月27日 条例第22号

(昭和39年7月27日施行)