震災の記憶を風化させないために地域を挙げた取り組み

 

 

 

3月8日、おおぞら小学校で全学年を対象に「3・11防災おにぎり」という取り組みがなされました。

おおぞら小学校の学区である六川目地区は東日本大震災で72戸が被害を受けました。そして震災から6年が経過しようとするなか、児童らの記憶を風化させまいと、六川目自主防災会の一戸実会長らが中心となり、おおぞら小学校の全学年を対象に、給食の時間に自らの手で握ったおにぎりを食べる取り組みがなされたものです。

この日、給食の時間を前に校内放送が流され、新館勝紀校長からは「震災から学んだことを語り継ぎ、震災時の食糧のありがたさを感じてほしい」。定期的に写真パネルなどで児童らに津波の恐ろしさを伝える一戸会長からは「避難所でも児童一人一人がおにぎりを作って食べられるようにしてほしい」。また、「津波は来てからではなく、来る前に逃げなければならない。『地震・津波早く逃げろ!地震・津波早く逃げろ!』」と避難の重要性を全児童に力強く呼び掛けました。

その後、児童一人一人がおにぎりを作成。自らデザインした「3・11防災おにぎり」シールを貼り付け、各クラスで防災への意識を確認した後、給食を味わいました。

在校する6年生は入学直前、1年生は生まれて間もなく東日本大震災を経験しています。時とともに薄れゆく東日本大震災の記憶。これを風化させまいと、おおぞら小学校区では、毎年震災時の記録、避難の重要性を児童に呼び掛けています。

児童らとは普段から親子のように接している一戸会長は、3年生の教室で児童とともに給食を味わい、避難時の食糧のありがたさを優しく語りかけていました。