チェーンソーを使って木材伐採作業者『キコリ』の技術を学ぶ

6月9日、三沢市大字三沢字早稲田地内の山林で、『実践的キコリ養成講座』の実習が行われました。

 

山林を個人で所有しているものの、どうしていいかわからない。そんな人たちを対象に、小規模・低コストで始められる林業スタイルとして全国に普及しつつあるのが、山主自ら木を伐り搬出し販売する自伐林業方式です。しかし、そのために必要な、林業技術を学べる講座が少ないことから、NPO法人青森バイオマスエネルギー推進協議会は青森県内で初めてこの講座を開催しました。この講座では、長年にわたり実績と経験を積んだ講師から、チェーンソーの扱い方から間伐、木材・林地残材の搬出など、安全でシンプルな林業技術を学ぶことができ、受講後にはチェーンソー取扱技能特別教育修了証を取得。木材伐採作業者『キコリ』として仕事をすることができます。

当初20人だった定員に予想を超えるたくさんの申し込みがあり、安全に講習できる限度まで増枠。それでも断らなければならないほど参加希望者がいたとのこと。市内はもちろん県内外、遠くは宮城県から集まった28人の参加者は、前日の6月8日にチェーンソーの取り扱いに関する座学を受講。この日は山林で、講師指導のもと、チェーンソーでの木材伐採を実際に体験しながらその技術を学びました。

 

講師を務めたのは、林材業安全技能師範として高名な小田桐久一郎氏とそのチーム。これまでに指導者として1万5千人以上に教え、平成22年には世界伐木チャンピオンシップへ日本チームのテクニカルリーダーとして参加するなど、世界的な技術・知識・経験を持つ小田桐氏。熱心に聴き入る参加者に「思ったところに思ったように(チェーンソーの)刃を入れることが大事。どこに刃が入っているのか、どう切れているのかわかっていなければうまく木は伐れない」と話し、大きなチェーンソーで固い木を自在に伐る技術を披露。チェーンソー技術には、3つの『C』すなわち『操作(Control)』はもちろん、伐り始めたら最後までやるしかないことから『集中力(Concentration)』と『自信(Confidence)』が必要であることを伝えました。

チェーンソーを初めて持ったという人も少なくない参加者たちは小田桐氏の技術に圧倒されつつも、説得力のある言葉に何度も頷き、伐採作業のポイントを熱心に質問。その後、実際に伐りながら伐採の基礎となるチェーンソー技術を学び、最後には、参加者それぞれが高さ約15メートルのスギの木を一人で伐り倒すところまで実習しました。