没後30年の寺山修司を偲び、ライブやトークショーでその素顔に迫る 

8月3日と4日の2日間にわたって『寺山修司記念館フェスティバル2013夏』が開催され、今年で没後30年となる寺山修司を偲び、未経験者から熱心なファンまで多くの人々が寺山修司記念館を訪れました。

初日であるこの日は『寺山修司の素顔』と題し、ライブや舞踊、トークショーを開催。寺山修司の影響を受けた中泊町出身のフォークシンガー・三上寛氏の弾き語りに、青森市の舞踏家・福士正一氏が奇抜なメイクと独創的な踊りでコラボレーション。寺山修司記念館の佐々木館長も詩の朗読で参加し、それぞれに寺山修司の世界を伝えました。中でも、寺山修司作品をきっかけに音楽活動を始めたという三上氏は、他界した寺山修司へ届けとばかりにメッセージ性あふれた歌詞を力強い歌声で歌い上げ、観客からたくさんの拍手を受けていました。

続くトークショーでは、寺山修司の元夫人である九條今日子氏と、写真家のハービー・山口氏、三上寛氏、佐々木館長の四者がステージ上で対談。「寺山修司の素顔を撮った唯一のカメラマン」と言われるハービー山口氏は、寺山修司と親交が深かった人物の一人で、その作品を集めた企画展『ハービー・山口写真展 寺山修司と出会ったロンドン』を記念館内で開催中です。寺山修司の劇団『天井桟敷』について「当時憧れの存在だった」と話し、写真家としての活動において寺山修司から鮮烈な刺激を受けたことを語りました。また、「柔軟な心を持たなければアートの世界では生きていけない」「人の中身を撮らなければ面白くないよ」とアドバイスを受けたハービー氏は寺山修司から表現の深さを学んだとのこと。さらに、九條氏も寺山修司との出会いや食生活など、元夫人だからこそ知るエピソードを紹介。来場者は、直接親交を深めた人々が語る貴重なエピソードに、じっと耳を傾けていました。

 

その他にも、会場には木工造形作家Simizzy(シミージー)氏による大人も子どもも楽しめる創作遊具が設置され、来場者は『ムシムシコロコロシリーズ』など、自然とアートの融合作品を楽しんでいました。