世界で活躍できるグローバルな人財を目指して、意識や技術を高め合う

 

9月28日と29日の2日間にわたり、三沢市国際交流教育センターで第1回目の『グローバル人財養成セミナー2013』が開催されました。

 

近年、急速に進展する国内外のグローバル化。その流れに対応するべく青森県と三沢市が主催したこのセミナーは、県内に住む20~30歳代の学生や社会人から参加者を募り、国内外で活躍する講師陣による講座、米軍基地内大学教授によるコミュニケーション能力向上のための講座、在住外国人との異文化交流などのプログラムを実施。世界や日本を知り、世界を相手に活躍できる人財育成を目指し、全3回・各1泊2日の日程で開催されるものです。

第1回目初日の27日、市内外から集まった32人の受講生に、弘前大学学長特別補佐であり同セミナーの実行委員会会長を務める井口泰孝氏は「世界で活躍するために必要なのは、英語力だけではない。自分を知り、地域を知り、日本を知り、世界を知ることが大事。(このセミナーを)みなさん一人一人が意欲を持って前に進むための一歩、二歩、三歩としていただきたい」と、期待を込めてあいさつ。続いて受講生は、各々の仕事や生活環境、その中で感じた英会話能力や外国人とのコミュニケーション能力向上の必要性など、受講の理由を含めて互いに自己紹介しました。

 

その後、研修室から会場を移して行われたのは、世界を舞台に活躍する2人の講師による公開講座。貴重な講話が聴けるとあって、セミナー受講生も併せ、約150人の聴講者が同センターホールに詰めかけました。主催者を代表して青山県副知事と種市市長からあいさつがあった後、登壇した1人目の講師は、早稲田大学高等研究所助教の田邊優貴子氏。青森市出身で日本南極地域観測隊に3度参加、現在も極地での野外調査に活躍する田邊氏は、画像を交えながら、この分野を目指した理由や、極地の地形、気候、動植物の生態系など調査の様子を説明。「現場に行って挑戦を繰り返して見つけていくことが重要。現場には奇跡的な瞬間とも思える発見があります。研究するだけではなく、この感動を、そして身近な日本人が携わっていることを多くの人々に伝えたい」と、その想いを伝えました。

続いて登壇した講師は、青山学院大学教授の榊原英資氏。榊原氏はまず、世界でこれまでに起こってきた2回のグローバリゼーションを挙げた後「今起こっているのは情報と金融を中心とした第3のグローバリゼーション。海外ではできない、日本でしかできないようなことが求められている」と指摘。また、現在抱える問題の一つを英語力、そして英語教育としながら「日本の言語・文化は素晴らしい。日本という国に自身と誇りを持ち、それを壊さず、認識した上で英語教育を徹底させることが重要」と話しました。世界で活躍する両講師の話にじっと耳を傾けていた受講者たち。講演後は質問や感想を講師に伝えていました。

 講演終了後、セミナー受講者たちは市内在住の外国人を加えて対話交流をし、国際交流教育センターに宿泊。翌日28日は、米軍基地内メリーランド大学教授によるコミュニケーション能力向上講座やグループディスカッションが行われました。