「笑い」や「生きがい」で介護の要らない充実した人生を

 

「介護を必要としない、健康で充実した生活を送るためにはどうしたらいいか」。加速する高齢化社会が抱える課題の一つ、『介護予防』への意識を高めるために、市では毎年、介護予防講演会を開催しています。10月1日、公会堂大ホールで行われた今年の講演会にも、高齢者を中心とした約420人が集まり、有識者による講演や地域での活動事例から介護予防を学びました。

 

介護予防講演会の前半に行われたアトラクションでは、生きがいづくりを目的に市内各地域で活動する『おらほの寺子屋』38団体のうち9団体が活動事例を発表。おどりや作品など、おのおのが普段励んできた活動の内容や成果を披露しました。古くから伝わる『古間木音頭』を地域に残そうと発表した古間木地区、手作りの人形などで昔の出来事を再現する大型ディスプレイ作品を完成させた浜三沢地区、淋代地区はミス・ビードル号出発の場面を演じるなど、その内容は体や脳を活性化させ、介護予防につながるだけでなく、それぞれの地域性も表れており個性豊か。参加者は、活動を生き生きと発表する仲間の姿に拍手を送りながら、互いの活動に刺激を受けていました。

続いて後半は『認知症と笑いの効用』と題し、NPO法人健康笑い塾主宰・日本笑い学会理事の中井宏次氏が講演。中井氏は、認知症にならないための要素を好奇心と協調性、そしてユーモアと解説。また人が病気になる原因の50%はストレスと話し、「ストレスを解消するために人間だけに与えられた能力が『笑うこと』。人間は笑わなければいけない」と伝えました。上方落語を学んだことがあるという中井氏の講演は、データに裏付けられた介護予防の要点を伝えながらも、明るいユーモアにあふれ軽妙。講演を聞いていた参加者たちは、お腹を抱えて涙を流すほど笑い、介護予防における『笑い』の大切さを学んでいました。