よりよい避難所生活のためには、男女共に協力した組織づくりが大事

10月2日、三沢市公会堂において、「みんなでつくる安心して過ごせる避難所 ~男女の視点を活かす~」と題した、防災普及啓発事業が開催されました。

 

男女共同参画の推進に賛同する上十三管内の女性団体が集まり、昨年結成された『上十三地域男女共同参画ネットワーク』。同団体は、" 男女の視点 " から考える各種啓発事業を上十三圏域の市町村で実施しています。三沢市での開催となった今回、青森県男女共同参画センターで副館長を務める小山内 世喜子氏を講師に迎えての講義と避難所体験に43人が参加し、よりよい避難所運営の在り方について学びました。

 

小山内氏は、2年前に起きた東日本大震災で避難所生活を余儀なくされた被災者の中には、蓄積した疲労やストレスによる自殺など、災害に付随した『震災関連死』が発生していることを挙げ、危機的な状況の中でも被災者のニーズに合わせたできるだけ快適な避難所運営が必要であると説きました。またそのためには、「食事の支度を女性だけの仕事とせず、男女共に協力し合い、特定の人に負担が掛からないような組織づくりをしなければなりません。男女対等な話し合いの上で、避難所運営のルールを決めることが大切です」と話していました。

その後、参加者は、被災を想定した避難所生活を体験。給食班は、炊き出しや非常食を盛り付け、広報班は、避難者カードを活用して情報を収集。名前などの他に、持病、入れ歯、メガネなど避難所生活に必要な事柄も記載することで、より細かに個人のニーズに合わせた避難所運営ができることを学びました。多くの情報整理や確実な意思伝達が要求される中、それぞれ大変さを実感しながらも、実際に体験してみて新たに気付くことがあったようです。さらに会場には、段ボール製の簡易ベッドや間仕切り、更衣室などが置かれ、体験者は、女性などのためにプライバシーを考慮した作りと想像以上の丈夫さに驚きを見せていました。

 

見ず知らずの人同士がやむを得ず共に過ごさなくてはいけない避難所において、できるだけ快適な生活をしたいというのは避難者全員の願いです。参加者はこの日、避難所生活の知識を深めるとともに、男女が協力し合うことについて認識を改める有意義な時間を過ごせたようでした。