東日本大震災や過去の被害・復興から、次に起こり得る津波災害への対策を学ぶ

 

11月9日、三沢市公会堂の集会室で、三沢市歴史民俗資料館と市教育委員会が共催する公開講座『2011年平成地震津波~津波災害の記憶』が行われました。 

 

2011年3月11日に起こった東日本大震災。大地震と大津波によって岩手県、宮城県、福島県の太平洋沿岸を中心に甚大な被害がもたらされ、三沢市でも三沢漁港や沿岸地域が被災。土地や人々の心に、今なお残る深く大きな爪痕を刻みました。三沢市歴史民俗資料館ではその津波災害の恐ろしさを伝えようと、被災後いち早く特別展示を開設。写真や被災がれき、被災者の言葉で津波災害を伝えたその展示には、2012年3月末までの期間内中、県内外から多くの人々が訪れました。

東日本大災害から約2年8カ月。「あの大災害を忘れないために、もう一度、津波とは何か、命を守り被害を抑えるためにはどうしたらいいか考えなければならないのではないか」。そう考えた歴史民俗資料館が、『人・自然・教育研究所』所長であり同館アドバイザーも務める川村正氏を講師として開催したのがこの公開講座。約20人の参加者は、東日本大震災はじめ大津波の歴史から、津波の特徴や被害、復興・対策の歴史を学び、さらに「次の大津波はいつ来るのか」「そのときに命や財産を守るために必要なことは」といった今後起こり得る災害への備えを教わりました。長年にわたり自然や風土とともに津波を研究してきた川村氏。写真や地図、新聞や各種数値データをまとめた資料と自ら実際に被災地に足を運んで得た見聞から、津波の恐ろしさを忘れず後世に伝えることや防災林を守り育てることの大切さなどを熱心に語る氏の言葉に、参加者は時折メモを取りながらじっと耳を傾けていました。

 

三沢市歴史民俗資料館内では現在、県内唯一の『津波災害コーナー』を設置し、川村氏がまとめた、過去そして東日本大震災の津波被害や地域を守る防災林などについてのさまざまな資料を展示しています。常駐する職員が解説も行っているとのことなので、大切な記憶を忘れないためにも、展示を見て今一度津波災害について考えてみてはいかがでしょうか。

 

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