支援者としての心得や心身の在り方を学び、地域のゲートキーパーが誕生

 

11月27日、三沢市保健相談センターで、今年度4回目となるゲートキーパー養成講習会が開催されました。 

 

国や自治体、民間団体、地域の人々が協力する取り組みによって昨年、14年振りに年間3万人を下回った国内自殺者。しかし、その数は依然として多く、三沢市でも自殺率(人口あたりの自殺者数)は全国平均を上回ります。この自殺を重要な健康課題と考えた市は、自殺予防講演会や広報活動、相談窓口開設など自殺予防に向けたさまざまな取り組みを実施。中でも、地域で見守る『ゲートキーパー』が自殺予防に大きな役割を果たすことから今年度初めて開催したこの養成講習会に、多くの参加者が集まり、これまでの3回で専門家の講師から自殺に対する正しい知識やゲートキーパーの役割、傾聴技術などを学んできました。

最終回となったこの日の講習会には、「隣人の力になりたい」「地域や組織で役立てたい」などそれぞれの想いを胸に、約50人が参加。八戸学院大学非常勤講師の瀧澤氏から『支援者のメンタルヘルス』について講話を受けました。自殺を考える相談者の悩みを傾聴し、見守り、ときに必要な支援につなげるゲートキーパーは、看護師などによくみられるストレス疾患を患うことも少なくないと言います。「相手の悩みを聴くためには自身の心身が健康であることが大切」と説いた氏は、「ストレス解消法を複数身に付けることや仲間同士の支え合い、つながりが活動への意欲を高めます」と対策を講話。ゲートキーパーとしての知識と技術を身に付けた参加者に、傾聴活動を続けていくために必要な心身の在り方などを伝えました。

また今回は、講話の後に、参加者同士での座談会を開催。8人程度のグループに分かれた参加者は、これまでにしてきた、あるいはこれからしてみたいゲートキーパーとしての活動を互いに挙げ、話し合いました。さらに、精神障害者への支援活動を長年続ける精神保健福祉ボランティア『さつき友の会』が参考例として活動を紹介。最後に、4回全ての養成講習を受けた20人の参加者へ修了証書を授与した市健康推進課の小泉課長は、参加者を労いながら「この講習会で学んだことを生かし、まずは皆さんの立場でできることから行動を起こしていただきたい」と話し、地域と市が連携する自殺予防活動への協力を呼び掛けました。