若い力を得ながら地域の文化を伝承する人々に、惜しみない拍手と声援

 

1月13日、三沢市公会堂小ホールで、三沢市民俗芸能公演会が開催されました。

 

民俗芸能とは古来から、地域社会における生活と信仰の中で人々が捧げてきた祈りであり、感謝のしるし、そして喜びの表現。さらに、たとえ同じ名称の踊りであっても、それぞれの地域で独自に継承されており、地域性が色濃く残る文化でもあります。三沢市にも県や市の無形民俗文化財に指定される演目を持つ保存会は多く、この公演会は、その民俗芸能を受け継ぎ、保存・伝承に尽力する市内の保存会が一堂に会し、多くの人々に演目を披露する年に一度の貴重な機会。今年も市内9団体に五戸町の舘町神楽舞保存会が応援に駆け付け、全17演目が午前と午後にわたって演じられました。

権現舞や鶏舞に三番叟など、厳かな美しさと迫力を併せ持つ伝統的な舞が次々と披露される中、熟練の踊り手・囃子に混じって一際輝きを放つのは若い世代の姿。大人顔負けの演舞や囃子を披露する小中高生に、観客からは大きな拍手が。後継者不足は保存会が常に抱える課題。それでも保存会と地域の人々の熱意によって、若い継承者が育っています。この日も開演を前に、主催者である三沢市民俗芸能保存会連絡協議会の沼田会長が、民俗芸能の保存・継承に大人と一緒に長年頑張る子どもたちを表彰。貴重な文化財のさらなる継承に期待を込め、根井神楽保存会の馬場雅さん(第三中3年・活動歴8年)、浜三沢駒踊り保存会の種市篤暉くん(第二中・活動歴8年、当日欠席)、山中神楽保存会の二ッ森蒼くん(三本木農高1年・活動歴7年)、二ッ森颯くん(第三中3年・活動歴7年)へ同会と市教育委員会から連名で感謝状が贈られました。

激しい舞や途切れることなく続く囃子に倒れそうになりながらも、真剣な眼差しで演目を披露し続けた伝統芸能の継承者たち。演目から活力を受け取った多くの観客は、地域固有の文化を失わないため、不断の努力を続けるその姿に惜しみない拍手と声援を送っていました。