災害対策の中で自身が得てきた、生きた教訓を伝える

 

2月2日、防火クラブ・自主防災会等合同研修会が、きざん三沢で開催されました。

 

これは、現在市内で活動する幼少年婦人防火クラブと自主防災会、全39団体が一堂に会し、有識者から必要な知識を習得するとともに意識の向上・啓発、各組織間の円滑な連携を図るため、平成6年から毎年開催している研修会。今回は、講師を務めたNPO法人 日本防災士会 青森県防災士会八戸支部の館合裕之氏が「東日本大震災の教訓~ちょっと待った!防災対策のウソ・ホント~」と題して、東日本大震災の前後の体験とその中で得た教訓を、集まった約120人の出席者に伝えました。八戸市職員でもある館合氏は、平成18年、防災安全推進室へ新設と同時に配属。同年に防災士の資格を取得し、以降、八戸市の国民保護計画や避難所運営マニュアルを作成し、大規模断水や新型インフルエンザ対策にも積極的に取り組んできたとのことです。東日本大震災時には万全の組織体制ではなかったにもかかわらず、直前に行っていた訓練が大いに生かされたことも指摘。災害は高確率で勤務時間外に起こるものとして、組織における危機管理の大切さといった教訓を伝えました。

また、防災無線や避難所について人々が抱きやすい幻想と現実を、東日本大震災の経験をもとに提示。食事や毛布、情報、市職員の支援、避難所運営マニュアルなど、与えられることを当然とする『幻想』ではなく、自ら考え、準備しなければならない『現実』を認識しなければならない、などと強く訴えました。

さらに氏は「被災者から支援者にならなければ」と話し、自身や家族の命を大事にすることでより多くの復旧・復興に貢献できることや『作法』としての防災教育にも言及。岩手県の小中学校や避難場所、保育園など、自身が実際に足を運び学んできたことを伝え、参加者は氏の熱意あふれる講演に聞き入っていました。