昔の子どもたちが体や感覚、集中力を鍛えた、家の手伝いや遊びを体験

 

2月17日、おおぞら小学校で、児童たちが古道具を体験する社会科授業が行われました。 

 

同校では約17年前、旧六川目小学校の頃から、同地区に住む一戸実さんと協力。一戸さんの旧宅を増改築した『おらどの家』で、昭和初期に使われていた道具から当時の人々の知恵や暮らし、道徳心などを児童たちが学ぶ社会科授業を実施し続けています。しかし、『おらどの家』に保管されている古道具や衣服は100点以上。移動時間を含む校外授業の時間内では限りがあり、「もっと多くの古道具から学んでほしい」「子どもたちに古道具を体験してほしい」と考えた一戸さんは、古道具を持って同校へ出張。旧六川目小学校時代に行っていた出張授業を、おおぞら小学校で今回初めて実施しました。

 

一戸さんがこの日、学校へ持参した道具は、囲炉裏(いろり)の上に鍋をつるす『自在鉤(じざいかぎ)』、桶に水などを入れて運ぶ『かつ棒』、魚を運んだ『たも』、『洗濯板』、『天秤ばかり』の5つ。どれも、昔の子どもたちが家の手伝いに使っていたものばかりとのことで、現代の3学年21人は一戸さんの説明を受けて一人ひとり体験。何でも便利な道具がそろっている今とは違う不便さを体で感じながら使い方にはコツがあることを聞き、当時の人々の知恵に感心。てこの原理や摩擦など、今は学校で学んでいる知識を暮らしの中で自然に身に付けていったことを知りました。続いて、一戸さんが持参した『メンコ(バッタ)』と『ビー玉』で昔の子どもたちの遊びを体験した児童たちは、代わる代わる挑戦するも悪戦苦闘。メンコをひっくり返せず、ビー玉もなかなか当てられません。先生が止めるまで挑戦し続け、「難しかったけどまたやりたい」と話していました。

昔の道具や遊びに興味を深め、少し興奮気味の児童たちから感想と感謝の言葉を受け取った一戸さんは「昔の人は自分で工夫し、家の手伝いや遊びで体や感覚、集中力を鍛えてきました。皆さんもおじいちゃんやおばあちゃん、先生たちのいうことを聞いて、いっぱい学び、いっぱい遊んでください」と伝え、また出張授業に来ることを約束していました。