「癒しの空間に」と継続してきた病院の音楽会が、多くの人々に支えられ開催3周年

 

5月25日、三沢病院ハートフルコンサートの3周年記念『251歳コンサート』が開催されました。

 

三沢市立三沢病院の1階エントランスホールを会場にしたこの異色のコンサートは、今から3年前の平成23年5月15日に初回を開催。「三沢病院に入院中の皆さんやその家族、地域の皆さんにやすらぎと希望を提供し、共感したい」と、成田俊太郎氏を代表に、たった5人の実行委員会で始まりました。当初、第1回目は北部航空音楽隊の出演を予定していましたが、東日本大震災の影響から不可能に。急遽、成田氏自らトロンボーンとピアノを演奏し、三沢シティーバンドの応援を受けて何とか開催できたとのことです。しかし、毎月異なる出演者の手配や会場設営、プログラムの配布、入院患者さんの移動のお手伝いなど、少ない人数での運営は困難。そのとき成田氏は「この先も続けることができるのだろうか」と不安を抱いたと言います。ですが、スタッフのつながりから相談した三沢高校のボランティア部・ボランティアバンクに所属する生徒たちが、第2回目から毎月支援。これまでに延べ290人の生徒たちが、ボランティアスタッフとして参加してきました。また、計36回、入場無料で開催してきたコンサートの演奏者数は334人で聴衆人数は3,053人。演奏を前にこれまでを振り返った成田氏は「患者と市民の皆さんの応援、出演団体の協力、そしてスタッフの『何とか続けたい』という思いがあったからこそ3年間続けられました」と感謝し、「継続して癒やしの空間に、音楽を楽しめる空間にしたい」と、初回から続くスタッフ一同の想いを改めて伝えました。

そして、3周年を迎えた記念すべき今回は『251歳コンサート』。フルート奏者の濤岡敬三氏、成田氏、ピアノ奏者の菅原紀子氏、ソプラノ歌手の畑井繁子氏が出演し、その年齢の合計がタイトルの由来とのことです。各出演者がバラエティに富んだ曲を披露する中、成田氏もトロンボーンを演奏。最後は畑井氏の美しいソプラノに合わせて、出演者と来場者、三沢高校生らボランティアスタッフが合唱し、心癒やす音楽を楽しんでいました。