津波の記憶を風化させず、後世に伝えるために

 

10月13日、三沢ビードルビーチで、三沢東ロータリークラブの創立30周年記念例会が行われました。

 

三沢東ロータリークラブは、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕での貢献を願い活動を続ける団体。創立30周年を迎えた今年、市の防災対策・防災教育の一助となるべく、東日本大震災の記憶を風化させず後世に残すための記念事業を実施しました。一つは、被災・復興時の写真や市内小中学校生徒・児童の思い記す作文を綴った文集の制作。そして、もう一つが『津波の証』と命名したモニュメントの建立です。このモニュメントの高さは、三沢市における津波の最大到達点海抜と同じ7.4メートルで、全体の形は波をイメージ。個々のユニットは葉のイメージも併せ持ち、たくましく生きようとするエネルギーを表現したとのことです。三沢東ロータリークラブでは、会の予算で制作したモニュメントを、県・市の協力を得て、太平洋を臨む三沢ビードルビーチに建立。三沢市に寄贈され、この日行われた記念例会の中で除幕式が行われました。

除幕後、種市市長が同クラブ林光利会長へ感謝状を授与。続いて、東日本大震災の津波で太鼓を流されながらも復活した、三川目小学校児童の『海鳴り太鼓』が披露されました。多数の来賓など列席者が見守る中、林会長は、日頃の支援への感謝とさらなる活動への決意を込めてあいさつ。種市市長と国際ロータリー第2830地区ガバナー工藤武重氏から祝福の言葉が贈られました。式典の最後には、同クラブ記念事業の一つである文集に寄稿した生徒から3人が作文を朗読。その中の一人、第二中学校1年の冨田桃花さん(当時三川目小学校3年)は、被災時の状況や心境に加え、海鳴り太鼓が流された悲しみ、多くの人々の協力により復活した喜びなどを語りました。また、復興していく姿を見て「自分にできることはないか」と考えるようになったとのこと。列席者へ「助け合える日本を私はうれしく思います。世界一助け合える日本にしていきたいです」と伝えていました。