「子々孫々と受け継いでいけるように」。地域の人々の手で復興植樹

 

10月26日、三沢市五川目地内の海岸で、青森県が復興植樹会を開催しました。

三沢市の三川目から天ケ森まで、南北約24.5キロメートルにわたる海岸防災林。三沢市では明治から昭和にかけ、塩釜地区の石橋健二氏をはじめ、多くの地域の人々が国や県に協力し植え育ててきたこの松林は、これまで津波や飛砂、やませ風といった多くの災害から住む人々の命や財産、暮らしを守ってきました。しかし、平成23年3月の東日本大震災で被災。津波の威力を弱め、がれきの被害を軽減する代わりに、一部の松の木はなぎたおされ、あるいは塩害で立ち枯れてしまいました。青森県では、被災直後から海岸防災林の復興に取り組んできましたが、今年8月に復興計画を作成。平成32年度完了を目指して現在取り組んでいます。そして今回、公益財団法人 三菱UFJ環境財団からクロマツの苗木1390本の無償提供を受けたことにより植樹会を企画。海岸防災林の重要性を広く理解してもらおうと広く参加を呼びかけたところ、三沢小学校と第二中学校、淋代・鹿中・前平地区の町内会、米軍三沢基地や建設業者などから約200人が集まりました。

町内会や職場ごとの班に分かれた参加者たちは、青森県職員から説明を受け、一人あたり5~6本ずつクロマツの苗木を植樹。海からの風を防ぐよう衝立の裏に黒土を入れながら、一本一本ていねいに植えていきました。以前、五川目地区に住んでいた現・前平町内会長の梅津康義さんは作業後、倒れたり立ち枯れてしまった松林を前に当時を思い出しながら「やはり寂しい」と一言。そして「一生懸命復興のために協力していかなければならない。子々孫々と受け継いでいけるように」と話していました。