新たな漁民研修センターに海産物直売所が新設。震災乗り越えた発展に期待

 

11月19日、三沢市三川目4丁目地内に完成した三沢市漁民研修センター等敷地内で、同施設の落成記念式典が行われました。

もともと三沢漁港周辺の港町に建設されていた漁民研修センターと漁民厚生施設は、平成23年3月11日の東日本大震災で被災。建物自体は残ったものの津波による損壊が大きく、漁民研修センター1階に事務所を構えていた三沢市漁業協同組合は、2階研修室を仮設事務所として漁港復旧や漁港運営など事務を行ってきました。市は、県の津波被害シミュレーションを考慮しつつ漁協などと協議を重ね、三川目小学校の南側、国道338号線沿い高台への両施設移転を決定。復興庁から支援を受け、平成25年1月19日に着手した事業が、今年9月30日をもって完了しました。漁民厚生施設には漁業関係者が入浴・休憩できる設備を整え、漁民研修センター内には従来の漁協事務所や研修室などの他に、新鮮な地元海産物や加工品を販売する漁協の直売所を新設。また、直売所前広場には、震災を乗り越えた飛躍への願いを込め、『津波の碑』を建設しました。この碑には、東日本大震災の恐ろしさを伝える説明が刻まれているほか、先日解体された三川目地区の三陸大津波慰霊碑から「地震海鳴りほら津浪」の銅板を移設。アーチ状のオブジェは天空につながる門をイメージしているとのことです。

この日、完成した漁民研修センター内研修室に市や漁協、建設事業関係者などが集まり、施設の安全運営願う神事を実施。続いて、落成記念式典が行われました。式辞の中で三沢漁港復旧事業の完了を宣言した種市市長は、震災の記憶が長く後世に伝えられることを願い、漁業者・市漁協の尽力と関係者の支援に厚く感謝。「これから復興へと歩みを進め、震災前の活気を取り戻していただきたい」と、期待を込めたエールを送り、土地提供者や施工に関わった事業者へ感謝状を手渡しました。施設前でテープカットが、『津波の碑』前で除幕式が行われた後、直売所がオープン。特別価格で提供されたサケやカニなど海産物を次々と購入する来場者へ、漁協から無料のサケ汁が振る舞われました。生まれ変わった漁業関係者の拠点施設に、新たな地元海産物の直売所。三沢市漁業のさらなる発展に、期待が高まります。

 

事業概要

事業期間:平成25年1月19日~平成26年9月30日

事業費:3億2,258万1,600円(うち復興交付金 1億6,765万9,403円)

構造規模:漁民研修センター等 鉄筋コンクリート造地上2階建/延床面積1,300.03平方メートル

     漁民厚生施設 木造スレート瓦葺平屋建/延床面積198.74平方メートル

漁協直売所

営業時間:9時~19時(木曜日定休)

問い合わせ先:三沢市漁業協同組合(電話0176-54-2202)