寺山修司の33回忌に多くの方が来場

 

 

寺山修司記念館で5月3日から5日まで3日間にわたり開催された『寺山修司記念館フェスティバル2015 春』に、市内外から多くの人々が来場しました。
3日間にわたり屋外に設けられた多目的スペースには、今年も造形作家simizzy(シミージー)さんがプロデュースしたアートと遊びの空間『ムシムシコロコロ・パークJr.』が出現。約20メートルのチューブへ圧縮した空気を送りカラーボールを空中に打ち出す通称『ドドンパ』に、ボールをキャッチしようと子どもは大はしゃぎ。また、創作の場として設けられた工作スペースでは、子どもよりも夢中な親の姿もありました。この場を支えたのは、3日間で延べ20人を超える三沢高等学校からボランティアで参加した生徒と教諭。子どもと同じ目線で接し、共に楽しみ、物づくりを行う姿勢は真剣そのものでした。

4日には、5月4日が寺山修司の命日であることから、毎年『修司忌』が行われています。今年は寺山修司の生誕80年とともに33回忌。そして昨年亡くなった九條今日子さんの1周忌でもあり、記念館裏手にある寺山修司顕彰文学碑前の献花には多くの方が参列しました。その後、三上博史さんによるライブ『世界の涯てまで 連れてって』にも多くの観客が集まりました。三上さんが表現力豊かに朗読する寺山修司の言葉や歌は来場者を魅了。ミュージシャンのエミ・エレオノーラさんの歌や奏でるBGMも力強く迫力のあるものでした。

ライブ終了後には、株式会社テラヤマ・ワールド代表取締役の笹目浩之氏が来年も同イベントに三上さんが出演することを告げると、会場からは大きな拍手。さらに、ライブ直前までステージの鍵が開かなかったエピソードを披露し、「寺山さんと九條さんはいたずら好き。スタッフを焦らせようとしたんだろう。会場に来ていたのかな」と亡くなった2人に思いを巡らしていました。
 イベント期間中に目を引いたのは『寺天』と大きく書かれたTシャツを着たスタッフ。今年4月に結成された記念館サポート隊「寺山修司天才会議」のメンバーです。同会議の議長を務めている戸澤華子さんは、「寺山修司記念館と街との距離を縮めたい。メンバーを募り今後活動を広げていきたい」と抱負を語っていました。今後詳しい情報は、ウェブサイトなどでお知らせされる予定。今回は、同会議の呼び掛けによって七戸町と三沢市の子ども会から、計13人の子どもたちがボランティアで参加し、献花をサポートしました。
 天候に恵まれた3日間、5月の爽やかな風の中で大人から子どもまで、夢中になる姿と笑顔が印象的なイベントでした。

 

※『寺山修司記念館フェスティバル2015 夏』は、8月1日(土)、2日(日)開催予定です。