環境の活用と保全。将来の仏沼のあり方について意見交換

 

 

8月1日、2005年11月に仏沼がラムサール条約登録湿地となり今年で10周年を迎えることから、「仏沼シンポジウム ~仏沼の未来を考える~」が国際交流教育センターで開催され、仏沼の将来の環境の在り方、保全手法等について意見が交わされました。

 

日本鳥学会会長・日本野鳥の会副会長を務める上田恵介立教大学教授が「世界に誇る仏沼」、動物ものまね演芸家として知られる四代目江戸家猫八氏が「音風景百選としての仏沼」と題して基調講演。上田恵教授は、多様な鳥類が生息する仏沼は、国内で他に類を見ないほど貴重な湿地であると解説しました。江戸家猫八氏は、昆虫や鳥の鳴き声のものまねを披露。「毎日練習して身に付けるまで5年掛かる簡単な指笛のコツ」と落ちの付いた話をすると、会場からは大きな笑いが起きていました。
基調講演後には、上田恵介教授、江戸家猫八氏に加え、人・自然・教育研究所所長の川村正氏、青森プラスデザインプロジェクト代表キュレーターの小笠原彩子氏の2名を加え、パネルディスカッションが行われました。上田教授は、将来に向けてどのように現在の仏沼の環境を残すか、保全についての方針が必要であると強調。江戸家猫八氏からは、自然環境の観光や教育への活用と保護についての難しさが提起されました。自らの経験から、子どもが自然に親しめる環境が必要と考え、大人を含め、多くの方々に仏沼の環境を理解してもらうことが必要と訴えた川村正氏。小笠原彩子氏は、地域全体の活性化手法に触れ、将来にわたり環境に愛着や親しみを持つことができるプログラム作りが必要であると訴えました。

参加者が共通して考える将来の世代へ貴重な自然を引き継ぐことや、環境の活用・保全の在り方を考える、貴重な機会となっていまいした。