全国の教員が正面から取り組む「必然性」と「対話」を生み出す理科教育

 

 

11月20日、市立三沢小学校で『第54回日本初等理科教育研究会全国大会三沢大会』が開催され、全国から多くの教員、関係者が出席しました。

子ども一人一人に解決したい切実感のある問題をもたせることで、必然性のある授業展開にすること。また、問題を解決していく過程で、教師による発問を工夫することにより必要感のある対話を促すこと。子ども自身が主体的に自分の問題を解決し、科学的な思考力・表現力の育成を図る授業展開につなげるにはどうすればよいのか?などを考えることを目的に本大会は開催されたものです。

大会は午前中から開催され、はじめに三沢市、十和田市、おいらせ町の8教諭が提案授業として子どもたちが主役となれる授業を実施。午後には、授業の分科会が行われ、その後、「理科教育の課題」と題してシンポジウムが開催されました。

シンポジウムでは、十和田市立南小学校の馬場校長がコーディネーターを務め、筑波大学付属小学校の鷲見辰美教諭、八戸市立小中野小学校の井上貫之校長、早稲田大学教育・総合科学学術院の露木和男教授、帝都大学教職大学院の矢野英明客員教授がシンポジストとして参加。

児童が理科に興味を持つためにはどうすべきか?遊びから学習へと移行させるには?知識ではなく、科学的な見地から物事をみる児童を育てるには?など、理科教育のあり方、今後の展開はどうあるべきか?などについて活発な意見交換がなされました。

上十三地域では、自然現象などについての知識はあるものの、科学的な思考力が弱いことが理科教育の課題。また、これまでのように、基礎から積み上げる教育ではなく、実践から入り、その事象を研究する必然性、教育の多様性を尊重すべきとの意見もありました。

児童が自ら考え、研究し検証する理科教育、そのために教員がすべきこと、できることは何か。この課題に正面から取り組む教諭が全国から集まった大会。自ら考え研究する児童が増える教育が地域で行われる日も遠くなさそうです。