未来を担う若者たちによる11時間の熱い祭典 

7月31日、緑の木々に囲まれ普段は静寂にたたずむ寺山修司記念館が、若者たちのあふれる熱気に包まれました。

地元アーティストによる音楽やダンス、アートなど30ものプログラムが、11時間にわたり1000人を超える来場者の心を震わせた「TERAYAMA MUSIC MUSEUM (テラヤマ・ミュージック・ミュージアム) vol.2」。

 

前日から開催されていた「寺山修司記念館フェスティバル/夏2011」のプログラムの一つであるこのイベントは、昨年初めて開催され、今年で2回目。「三沢のこれから」を担う若者たちに、三沢にいながらでも音楽やダンス・現代アートなどの文化活動を楽しめる環境を提供することを目的とし、さらに、数多くの前衛的な作品を世に残した寺山修司とコラボレーションすることで両方の魅力を三沢らしさとしてアピールすることも狙いです。また、市民と行政による協働のまちづくり推進のために、市が必要経費の一部を補助する「協働のまちづくり市民提案事業」に採択された事業でもあります。

 

 主催するのは「三沢音遊戯会(みさわおゆうぎかい)」。三沢に住む若者たちの「自分たちもライブで三沢の人たちを元気にしたい」という熱い思いに賛同し、音楽、芸術、文化に深い関心を持つ人たちが集まって立ち上げた会です。会員それぞれが若者の熱い思いを受け入れる理解と経験を持ち、昨年の活動からさらに会員が増えたとのことでした。

 

早朝、寺山修司記念館に集まった三沢音遊戯会メンバーは、このイベントを成功させるべく手分けして会場設営に取り掛かります。あるメンバーは機材を運び、設営し、入念に音をチェック。あるメンバーは出店を設営し、イベント開始と同時に販売できるよう食材を準備。また、進行を確認する者、注意書きの看板を設置する者と、無駄なく円滑に進んでいく作業は見事という他にありませんでした。

 

11時。イベント開始を告げるMCの勢いある宣誓。次々と登場し観客を虜にするアーティストは、DJ、ヒップホップ、ロック、ラップ、ジャズ、ダンス・・・と多種多様。「あらゆるジャンルのアーティストを受け入れ、若者が楽しめる場であること。交流の場になること」と三沢音遊戯会の畑内さんはこのイベントの特徴について語りました。めまぐるしく変わるジャンルは、一方にしか興味を持っていなかった観客に新たな発見をもたらしたのかもしれません。また、増え続ける観客は会場を埋めつくし、観客同士の交流をも生んでいました。

 

22時。暗闇の中に赤く燃えるステージに上がった三沢音遊戯会のメンバーを囲み、最高潮の盛り上がりを見せる観客や出演者たち。15時間以上もの間、自らのステージ以外は準備から進行、出店など裏方としての仕事をしてこのイベントを成功させた本当の主役に惜しみない賞賛の拍手を送っていました。

 

若者たちが自らの手で成し遂げた芸術の祭典。

若者の、未来の担い手たる熱い意思と強い行動力を感じました。