翼はどこまでも 

三沢の空を舞ったミス・ビードル号の復元機8月18日、ミス・ビードル号の復元機による再現飛行が行われました。

これはミス・ビードル号が太平洋無着陸横断飛行を成功させてから今年で80周年になることを記念して行われたもの。再現飛行に先駆けて大空ひろばで記念式典が行われ、近くに展示された復元機は市内外から集まった大勢の来場者の注目の的。その勇姿を何枚も写真に撮っている様子が見られました。同機を所有するスピリット・オブ・ウェナッチのスコット・カーター会長らが機体に乗り込み滑走路に向かうと会場からは大きな歓声があがり、午前11時過ぎ、日米から集まった多くの関係者と航空ファンが見守る中、同機は三沢の空に飛び立ちました。

この日あいにくの雨空となった三沢市。厚い雲が立ち込め雨がかすむ中、始めはみなさんミス・ビードル号を探すのに苦労している様子でしたが、独特のプロベラ音を追い赤い機体を見つけると、大人も子供も目を輝かせ、濡れるのも構わずに一心に機体を追いかけていました。

再現飛行を見た月舘八郎さんは80年前にミス・ビードル号が淋代海岸を飛び立つのを見届けた一人。「姿形は当時と変わっていないように見える。あの小さな機体でよくアメリカまで行ったものだ」と当時に想いを馳せていました。兄弟そろって飛行機が好きで、父親に連れられ会場を訪れた高橋和希くん、佑弥くんの兄弟は「80年前の飛行機を再現したものがちゃんと飛ぶのかと思ったので、飛んでいる姿を見てびっくりした」「近くで見たときはとても大きく見えたけど、飛んでいるときは小さかった。そんなに遠くまであの飛行機であがれるなんてすごい」と興奮を抑えきれない様子で話していました。

80年前に海をこえたミス・ビードル号の偉業は、世代をこえ、国をこえ、多くの人々の心の中を飛び、これからも絆と感動をつむぎ続けることでしょう。