復興への感謝と決意が込められた「ほっき祭り」

昨年の「ほっきまつり」開催直前の3月11日、突如起こった東日本大震災の津波に飲み込まれてしまった三沢漁港は、1年を経て多くの人々の力によって復旧が進み、ようやく以前の姿を取り戻しつつあります。しかし、未だ癒えない傷跡もあり、復興のため歯を食いしばり頑張っている人たちも多くいます。3月28日、これまで力を尽くしてくれた人々への感謝を込め、三沢の海の幸「ほっき貝」とながいも等の特産物を使った料理で更なる復興への気運を高めるべく「復興祈年祭」として「ほっきまつり」が開催され、会場となる三沢漁港市場は埋め尽くすほどの来場者でにぎわいました。

 

 

 

15時から始まった第1部では、オープニングセレモニーの後、漁協による「ほっき貝の即売会」や「ほっき貝焼きの無料提供」、「ほっきムキムキ大会」やタレント「イサバのカッチャの公演」などが行われ、さらに漁協・農協・産直友の会による地元特産品を使った温かい料理が来場者を楽しませました。ほっき貝の即売会には整理券を求めて長蛇の列ができ、無事ほっき貝を入手できた人には漁師が貝をむくサービスも提供。ほっき貝に慣れていない女性にむき方を教えながら、喜ぶ来場者を見る漁師の顔もついつい笑顔に。また、ほっき貝焼きの無料提供では、家庭ではできない漁師ならではの仕込みがされたほっき貝が炭火に踊り、ほおばる来場者の顔をほころばせました。

 

 

 

第2部は18時から始まり、震災の被災者に来場者全員が黙とう。三沢市漁業協同組合の門上代表理事組合長と種市市長が支援への感謝と更なる復興への決意を込めてあいさつすると、来賓からは復興に歩んできた関係者への賞賛と激励の言葉が贈られました。また、昨年、ほっきまつり出演のために準備していた太鼓が津波で流されながらも、地域をはじめとする多くの人々の力を受けて復興した三川目小学校の「海鳴り太鼓」が力強く演奏した後、宮古海仁くん(三川目小5年)と坂岡正彦さん(三沢市漁協)が復興への想いを込めて誓いの言葉を宣言しました。

 

 

 

最後は、公益社団法人日本煙火協会青年部の提供を受けて、復興を祈念した花火大会を開催。蘇った桟橋と穏やかな波に揺れる船の上に広がる夜空へ次々と新作花火が打ち上げられ、光る大輪の花を見つめる人々の心を力づけました。