体験し、学んだことは人生の宝物。また帰って来たいです

大阪から訪れた初芝富田林高校の生徒らが、8月31日から9月2日までの3日間にわたり、市内農家に宿泊しながら農業を体験しました。

 

これは、農業者やおいらせ農協、農業青年会議などによって組織される三沢市グリーンツーリズム推進協議会が、体験することによって農業への理解を深めてもらい、特産品PRによる販路の拡大や三沢市農業の更なる発展などを目指して平成6年に始めた取り組み。初芝富田林高校は平成8年から修学旅行を兼ねた三沢市での農業体験学習を続けており、今回で17回目となります。引率の先生と共に訪れた同校2学年の生徒66人は、市内18戸の受入農家に2泊する中で、ごぼうや大根、じゃがいもの収穫などを体験しました。

 

 

31日、市民の森屋内ゲートボール場で行われた入村式で受入農家の一人、福田さん(高野沢地区)と初めて顔を合わせた、初芝富田林高校2年の小林香織さん、樽井美月さん、西尾優希さんの3人は、この日から福田さん宅に宿泊。翌1日は早朝から農作業姿に着替えて、ごぼう畑やじゃがいも畑で収穫を体験しました。

最初は作業服の着方にも戸惑っていた3人でしたが、畑に到着すると、辺り一面に生い茂る青々としたごぼうの姿に声をあげて感動。福田さん夫婦の手助けの下、足を広げ腰を落し、ごぼうの茎を持って次々とごぼうを抜いていました。「すぽっと抜けるのが気持ちいい」。力の入りすぎか、途中で折ってしまったり尻餅をつきながらも終始笑顔の3人。汗まみれ、泥だらけになりながら、福田さん夫婦が止めるまでごぼうを抜き続けました。

また、ごぼうやじゃがいもなど福田さん宅で獲れた新鮮な野菜の料理を食べた3人。「新鮮な体験ができてよかった」「じゃがいもがめっちゃ美味しかった」「一生残る思い出やと思うし、絶対また遊びに来たいと思いました」と話すと、福田さんは「いい子たちでした」と笑顔を見せてくれました。

 

三沢を離れる9月2日の離村式、斗南藩記念観光村に集まった生徒や受入農家の皆さんを前に、設楽沙樹さんは生徒を代表して「普段体験できないようなことからさまざまなことを学びました。私たちの人生の宝物になると思います」と関係者へ感謝。また、共に過ごした受入農家へ「本当の家族のように接してくれたことがとても嬉しかったです。3日間という短い時間ではありましたが充実した素敵な時間を過ごすことができました。もっとここにいたかったです。またここへ帰って来たいです」と話しました。途中、込み上げる想いで言葉を失う場面も。声震わせる彼女の頬を伝う涙は、同校生徒と受入農家が共に過ごした時間の濃密さと、その中で結んだ絆の強さを物語っていました。

じゃがいも掘りやにんにくの選別、立佞武多や田んぼアートを見に行ったことなどを振り返り、心に残る思い出は「全部です」と答える設楽さんたちに、受入先の立花さん(富崎地区)は「すごく明るくて楽しかったです。何にでも興味を持ってくれる子たちでした」と話し、最後まで別れを惜しんでいました。