障害を持った子どもたちが、地元で働けるように

1月26日、三沢市公会堂で「上十三地区就労支援セミナー」が開催されました。

 

セミナーの主催者である「お助けマンクラブ」は、障害を持った人と健常者がふれあいによって交流を深め、共に視野を広げ歩むことを目的に活動する団体。その活動の一つとして、障害を持った子どもたちが養護学校を卒業した後の就職先が地元である三沢に少ないことから、雇用主や障害者の支援者、地域の人々などへの障害者雇用に対する理解を深めるため、昨年からこのセミナーの開催を始めました。

 

今回、セミナーの講師を務めたNPO法人ジョブコーチ・ネットワーク事務局の臨床心理士 角田みすゞ氏は、障害者と雇用企業が互いによりよい関係を築くための架け橋となる「ジョブコーチ」の資格を持つ貴重な存在。午前の講演では、自閉症と診断された実子と共に歩んできた経験をもとに、障害を持つ子どもが働く大人になるまでに必要なことなどを話しました。角田氏は講演の中で「『就労』は遠い将来のことではなく『子育て』の連続線上にあります。法律や制度などが変化し、必ずしも恩恵を受けれるとは限らない社会の中で生きていく力、働く力を育てましょう」と、障害を持つ子ども自身の課題と家族など周囲の課題などを段階ごとに説明。多くの課題を一つ一つ乗り越えてきた経験者である講師の言葉に、100人を超える参加者たちは、時折頷きながら熱心にメモを取り聞き入っていました。

午後には、企業や団体などから集まった20人の参加者で、教材を使った演習を実施。主催者「お助けマンクラブ」では、生涯を持った子どもたちが地元・三沢市で働き暮らせるよう、今後も互いに理解を深めるセミナーなどを開催していきたいとのことでした。