寺山修司独自の世界を表現する山車

2月2日、寺山修司記念館が、三沢市商工会館で記者会見を開き、今年のみさわ祭りへの参加を発表しました。


事の始まりは、寺山修司記念館の名誉館長で三沢市の観光大使でもある九條今日子氏が、昨年のみさわ祭りを観覧して心動かされたこと。そして、「からくりやお囃子など演劇的な要素を多分に含んだ、この素晴らしいお祭りを全国にPRしたい」また、「寺山修司を題材にした山車は可能だろうか」と思い立ち、寺山修司の実家近くの薬師町祭礼にこのことを打診したところ承諾を受け、寺山修司記念館と薬師町祭礼による合同での山車制作が決定。今年1年だけのスポット参加ではなく、今後も継続して参加を検討しているとのことです。

山車のデザインを担当したのは、寺山修司の劇団『天井桟敷』の舞台芸術などを手掛けていたイラストレーターの宇野亜喜良氏。寺山修司が台本を書いた人形劇『人魚姫』をテーマにしたデザイン画数点が、この日の会見の席で発表されました。そのデザインは、武者人形や歴史絵巻をテーマにした従来の山車とは一線を画する、奇抜で不思議なもの。40年以上の長い歴史があるみさわ祭りの中でも、このような洋風の山車は初めての試みです。

九條氏は、「魚が飛ぶなど、青森のねぶたとは一味違ったからくりが楽しみ」と期待を寄せ、さらに同席していた薬師町祭礼の堤相談役が、「みさわ祭りが全国に大きなインパクトを与えるいい機会」と観光振興に対する意気込みについて話していました。

 

現在、すでにデザインの選定に入っている段階で、昨年の山車の解体作業から始まり、順次制作に取り掛かっていくとのこと。寺山修司独自の世界を表現する山車は、今年のみさわ祭りで大いに注目を集めそうです。