学びながら企業と共同で地域特産生かした商品を開発

2月28日、青森県立三沢商業高等学校の3年生、野川茄穂さん、岩城殉さん、元木美枝子さんと教員らが市長室を訪問。県内の特産物を生かしてコンビニエンスストアの株式会社ファミリーマートと同校生徒が共同開発した商品の発売を種市市長に報告しました。

 

生徒の地域理解や郷土愛、起業家精神を養う機会として、地域と連携しながらビジネスに直結する体験型教育「実体験教育(地域ビジネスプラン)」に全学年で取り組んでいる同校。特に3年生は、農業や漁業、商業、観光などの「部会」に分かれ、地域に関係する課題をテーマに関連団体と連携しつつ研究、企画や交渉、販売などをとおして実践的なビジネスを学んでいます。昨年11月22日には、今年度の研究成果を発表する「生徒商業研究発表会」が三沢市公会堂で開催され、上位入賞チームは県大会や東北大会にも出場。これまでにも、「ながいもアイス」や「ごぼっちょ」として商品化されたものや「寺山食堂」のメニューとして採用されるなど、その研究成果は生徒の学習成果のみならず、さまざまな形で地域に貢献してきました。

 

今回、商品開発に取り組む3年生46人は、株式会社ファミリーマートの地域密着型プロジェクト「ファミマものづくりアカデミー」の一環として、青森県の特産品を使った商品を11月から共同で開発。試行錯誤の末、4つの商品が商品化され、2月26日から3月26日までの間、市内2店舗を含む東北六県と新潟県の約690店舗で販売されることとなりました。開発に携わった生徒たちは、考えるイメージを伝えることや商品を開発すること、意見を伝えることの難しさを味わいながらも、新しい商品を開発する楽しさ、自分たちが開発した商品が店頭に並ぶ喜びや達成感など、この取り組みで多くの経験を得たとのこと。この経験やファミリーマートから提供を受ける販売データなどがさらに後輩に引き継がれ生かされ、ごぼうソース単品での商品化など更なる研究を目指していくとのことです。 

 

試食した種市市長はあまりのおいしさに驚きの表情を見せ、特にごぼうソースがサラダに合うことを伝えると、開発に携わった生徒の一人である野川さんは「これまでも企業と連携し、ごぼうを使ったソースに取り組んできましたが、その風味を生かすのに苦労し悩んできました。今回うまくいきました」と商品化への道のりを説明。種市市長からの絶賛の声に、部会を代表して来庁した3人の生徒は喜びの笑顔を輝かせていました。

 

スタミナ源たれ肉巻おむすび

青森の定番、上北農産加工協働組合の「スタミナ源たれ」を使い味付けした2枚の豚肉で巻いたおむすび。販売価格158円。

 

開発者のこだわりPoint

「お肉だけでなくご飯にも「スタミナ源たれ」を染み込ませているので、より味わいが感じられます。またアクセントとして白ゴマも入れているので風味も豊かです」

ごぼうソースで食べるサラダ

三沢商業高校で先輩から後輩へと引き継ぎ研究し続けてきた「ごぼうソース」をサラダに合せた一品。販売価格250円。

 

開発者のこだわりPoint

「生産量日本一の三沢のごぼうを使った『ごぼうソース』は砂糖としょうゆを使った甘めの味になっています。ごぼうの風味を引き出すために、ごぼうペーストとごぼうのささがきを入れています。食感と風味のバランスが難しく、試行錯誤を重ねて完成したごぼうソースは野菜と相性がいいのでサラダにしてみました」

りんごサンドケーキ

ダイス状にカットしたりんごを練りこんだケーキ生地に青森県産りんごジャムを挟んだデザート。販売価格126円。

 

開発者のこだわりPoint

「青森県産のりんごを使っていて、ふたを開けた時の香りとりんごのシャキシャキ感にこだわりました」

リンブラン

土台となるスポンジにりんごソースを絞り、りんご果肉入りムースを重ね、さらにリンゴクリームをのせた「りんごのモンブラン」。販売価格250円。

 

開発者のこだわりPoint

「青森県産のりんごを使っていて、生地がふわふわで甘さ控えめです。お求めやすい値段になっていますので、気軽におやつとしても食べていただけると思います」