それぞれの想いを込めて、300本の桜を植樹

4月13日、道の駅みさわ 斗南藩記念観光村で「八重の桜」記念植樹祭が行われました。

 

広大な敷地面積を持ち、観光施設としてだけでなく家族でくつろげる憩いの場所として多くの人々に利用されている、道の駅みさわ 斗南藩記念観光村。斗南藩は旧会津藩と縁深く、先人記念館には現在放送中のNHK大河ドラマ「八重の桜」のヒロイン・新島八重の兄・山本覚馬の貴重な肖像写真が所蔵され、六十九種草堂前には会津から移り開牧した廣澤安任が持ってきた八重桜が毎年見事な花を咲かせるなど、敷地内に多くの逸話がある場所や展示を見ることができます。三沢市では、この縁を大切にと、さまざまな斗南藩関連事業を企画。その第一弾として、つながりの一つである「桜」の植樹祭を実施しました。

 

同施設の広大な敷地を利用し、多くの人が楽しむことのできる新たな桜の名所にしていこうと、市は観光協会などと協力して、昨年4月、敷地内西側に100本の桜を植樹。今回は、財団法人 日本さくらの会から寄贈を受けた「釧路八重」や「大山桜」、「ソメイヨシノ」など8種類・計300本の桜の木を、公募で集まった28組約150人の手で敷地内東側に植えました。 堀内造園によって準備された桜の木の根を穴に入れ、大人はスコップで、子どもは小さなシャベルを手に懸命に土をかけていく参加者たち。自分の手で植えたことで特別な思い入れが生まれた桜の木に、最後は名前やメッセージを書き込んだプレートを取り付けました。

 

家族や団体の想い出の一つとして、あるいは誕生の記念や、自分が住んでいたことの証など、それぞれに想いを込めて植えた桜は、早ければ今春にも花を咲かせるとのこと。新たな桜の名所を、ぜひ大切な人と一緒にお楽しみください。

 

episode 私が日本にいた証

10年間暮らした三沢を離れ、今年、本国アメリカに帰る14歳のリームズ・エミリーさん(下段右)。日本にいた記念にと、家族らと共にこの植樹祭へ参加しました。植樹した桜の木に付けるネームプレートの裏に書かれた言葉は「I'll be back」。「この木は私が日本にいた証です。必ず戻ってきて見に来ます」。凛として話すエミリーさんの想いがこもった桜の木は、大きな花をたくさんつけてその日を待っていることでしょう。

 

episode 母から娘へのサプライズプレゼント

この日、15歳の誕生日を迎えた佐藤さくらさんは、母に連れられ、何も知らないままこの会場へ。自身の名前と同じ木を誕生日に植樹するというサプライズプレゼントを受け取りました。驚きながらも、前々から密かに準備してきた母の愛を感じ、「うれしいです」とはにかむさくらさん。母と娘が互いへの想いを込めて植えた1本の桜。これから先何年も何年も、この桜を見るたびに親子のつながりを思い出し、強くしていくことでしょう。春の日差しのようにあたたかく、素敵なプレゼントでした。