有機フッ素化合物(PFOS及びPFOA)の水質調査について
1.有機フッ素化合物の一種であるPFOS及びPFOAについて
世の中に非常に多くの種類が存在する有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称して「PFAS」(ピーファス)と呼び、その中で「PFOS」(ピーフォス)と「PFOA」(ピーフォア)は水や油をはじき、熱に対し安定的な特性があるなどのことから、消火剤やフライパンのコーティング剤のほかに電子部品など様々な製品に使われてきました。
PFASは自然界でほぼ分解されず、人体や環境中に長く残るため「フォーエバー・ケミカル(永遠の化学物質)」と呼ばれています。
日本国内では米軍基地や自衛隊基地のほかに、化学工場の周辺などでも検出されています。
現在、国際条約で廃絶や使用制限がされていて、国内では2021年までに法令でPFOS及びPFOAなどを特定PFASとして製造と輸入を原則禁止しています。
2.人の健康への影響
人に対して、免疫系、血清中コレステロール、肝臓、生殖、腎臓がん・精巣がん、甲状腺ホルモンなどへの影響が指摘されていますが、どの程度の量や濃度でどのような影響を及ぼすかについては、現時点で必ずしも明らかとはなっていません。そのため、現在も国際的にさまざまな知見に基づく検討が進められています。
3.PFOS 及びPFOA への対応
環境省において、令和2年5月に水質環境基準に係る要監視項目(※1)として新たに追加した項目であり、PFOS及びPFOAの合算値で1リットル当たり50ナノグラム以下(※2)を暫定指針値として定めています。
この暫定指針値は、人が水を慢性的に摂取した際の毒性評価値をもとに設定されていることから、飲用水については、暫定指針値を下回ることが望ましいとされています。
※1 要監視項目
人の健康の保護に関する物質ではあるが、公共用水域等における検出状況等から見て、現時点では直ちに環境基準健康項目とはせず、引き続き知見の集積に努めるべきと判断される項目です。
※2 ナノグラム(ng)
10億分の1グラムを示す単位
4.市などの取り組み
市では、令和4年1月にPFOS及びPFOAが含まれた消火剤が米軍三沢基地から天狗森ため池(市所管)に流れ込んだとの連絡を米軍側から受けて、その下流にあります姉沼(県所管)、小川原湖(国所管)について、国、県及び市が所管する地点でPFOS及びPFOAの調査を継続して行っています。
また、令和6年4月に、基地の東側にあります五川目堤(ため池・市所管)とその下流の太平洋海域(県所管)においても調査を行っています。
5.調査地点及び調査結果
(1)天狗森ため池関連(別紙1.pdf [302KB pdf]、別紙2.pdf [73KB pdf]のとおり)
〇採取日 令和6年10月1日(三沢市)
〇調査地点
天狗森ため池(基地外)の排水路[三沢市]1地点
姉沼[県]1地点
小川原湖[国土交通省]3地点
〇調査結果
天狗森ため池は暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を超過
姉沼及び小川原湖はすべて暫定指針値以下
(2)五川目堤関連(別紙3.pdf [452KB pdf]、別紙4.pdf [319KB pdf]のとおり)
〇採取日 令和6年10月1日(三沢市)
〇調査地点
五川目堤(基地外)[三沢市]1地点
太平洋海域[県]1地点
〇調査結果
五川目堤は暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を超過
太平洋海域は暫定指針値以下
6.今後の予定
天狗森ため池及び五川目堤において、暫定指針値を超過しているため引き続き水質調査を実施します。
次回の調査は、天狗森ため池、五川目堤ともに令和6年12月に実施する予定です。
7.水道水について
市の水道水は、地下水を使用しており、天狗森ため池や五川目堤の水を使用しておりません。また、水道水のPFOS及びPFOAを定期的に検査しており、暫定指針値以下であることを確認しております。