あおもりグローバルアカデミー2021ダイジェスト 

2013年から始まった「あおもりグローバルアカデミー」。
今年9回目を迎えたセミナーの様子をご紹介していきます。

AGA1  AGA2

 開催日程(全3回)

第1回セミナー 2021年10月30日(土)~31日(日)
第2回セミナー 2021年11月20日(土)~21日(日)
第3回セミナー 2021年12月11日(土)~12日(日)
 

開催内容 

【全体版】あおもりグロ-バルアカデミー2021ダイジェスト.pdf [1365KB pdfファイル] 

【第1回セミナー】 

 

 <1日目>
 10月30日(土)

 ●開講式&アイスブレイク

実行委員会の三浦文恵会長と三沢市の小檜山吉紀市長から激励の言葉をいただき、いよいよセミナーがスタートします!今年も三沢市はもちろん、青森市や八戸市といった県内各地から、18歳以上の学生、社会人15名にお集まりいただきました。
初めは緊張した面持ちの受講生の皆さんでしたが、アイスブレイクで言葉を交わすうちに、徐々に笑顔が増え、会話も弾んでいました。
昨年度に引き続き、グローバルアカデミーでは、以下の新型コロナウィルス感染拡大防止対策を実施しました。

 

(1)全員の体調・体温を確認
(2)手指の消毒と除菌、換気の徹底
(3)フェイスシールドやマスク、アクリルボードの設置
(4)黙食、アルコール類の提供自粛
(5)公開講座の中止

開講式


アイスブレイク

 

異文化コミュニケーション講座(1)「ワールドカフェ -World Café-」

講師:グレゴリー・アンソニー 氏(八戸学院大学准教授)

講師補助:エイダン・モリソン 氏(三沢市英語通訳)、モーガン・ゾラー(三沢市ALT)、レイチェル・ハドソン(メリーランド大学ブリッジプログラムインストラクター)

三沢市と周辺自治体にお住まいの外国人ボランティアの皆さんとの英会話を楽しみつつ、多様な文化や価値観に対する理解を深めることができるワールドカフェ。毎年大好評の講座で、2年ぶりのリアル開催となりました。

参加された皆さんは、「青森の良いもの(こと)、興味のあるもの(こと)」と「青森県の隠れた魅力を外国人に知ってもらうにはどうしたら良いか」というテーマについて、身振り手振りやイラストなどを交えながら、和やかな雰囲気の中、お互いの意見や情報を交換して、新しい気付きを得ていました。

異文化(1)

 

ワールドカフェ

 

●日米交流講演会&交流会

タイトル:Representing America Abroad
講師:在札幌米国総領事館 ジェイコブ・ロッカ領事
通訳:山田優紀子 氏(あおもりグローバルアカデミー2017修了生)
在札幌米国総領事館の協力をいただき毎年開催している日米交流講演会。8月に赴任したばかりのロッカ領事がこれまでアメリカを代表し行ってきた外交や、日米両国の平和と繁栄のために、日米同盟を支援すること、様々な分野における少数派の人々をサポートし、あらゆる人々の人権を尊重すること、そして気候変動への対応に取り組むことが重要であると講演しました。その中で、青森県の行っている脱炭素型社会実現に向けた取り組みについて、高く評価いただきました。ロッカ領事の多彩な経験や日米両国の取り組みについて、参加者たちは深く聞き入っていました。

講演会終了後、受講生とロッカ領事はハロウィンの飾りつけがされた会場でハンバーガーやフレンチフライといったアメリカンフードの夕食を楽しんだり、写真を撮り合ったりと、親交を深めました。

(写真撮影時のみマスクを外しています。)

日米交流講演会01

 

日米交流02

 

交流会

<2日目>
 10月31日(日)

●異文化コミュニケーション講座(2)

「WHAT’S AN OHKANAMAYAKEE?」

講師:グレゴリー・アンソニー 氏(八戸学院大学准教授)

講師補助:エイダン・モリソン 氏(三沢市英語通訳)

レイチェル・ハドソン 氏

(メリーランド大学ブリッジプログラムインストラクター)

日本で当たり前のように使われている外来語や和製英語、日本語と英語のミックス言語など、英語を使用してコミュニケーションするうえで陥りやすい間違いについて、理解を深めることができました。みたらし団子やせんべい汁、ガチャガチャなど日本独自・地域独自のものを英語で説明するワークを行い、受講生はこれらのものを外国人にも分かるように説明することがとても難しいことを実感していました。

異文化03

 

異文化04

 

●世界、日本を知る講座(1)

タイトル:いまの常識は未来の非常識~未来の社会をつくるみなさんに伝えたい“ビジネス”と“社会”のこと~」

講師:(株)ボーダーレス・ジャパン 代表取締役副社長 鈴木 正剛 氏

世界15ヶ国、40事業において、多くの仲間と共に社会問題の当事者を“巻き込み”、“共に助け合う”助け合いの連鎖によって「ソーシャルビジネス」として展開し、解決している講師から、熱いメッセージをいただきました。

参加者は、講師からもたらされた数々の言葉に背中を押され、エネルギーをもらい、「自分にとっての非常識にチャレンジしていきたい。」、「自分のこと、やっていることを賛同してくれる人だけじゃないことを理解すべきで、むしろ全員に賛同される必要はない。」など、感銘を受けていました。

世界日本01

 

世界日本02

【第2回セミナー】

 

 <1日目>
 11月20日(土)

●グローバル・ビジネス講座(フォローアップ講座併催)

タイトル:Nature of diversity and how to apply to new business ideas

講師:パス・ファインダーズジャパン(株) 

代表 テルミ・ラスカウスキー 氏

講師補助:(株)ディア 代表取締役 御室 政代 氏

2014年から講師を務めているテルミさんはハワイ在住。そのため、サポートとして御室さんにお越しいただき、ハワイと会場をオンラインでつなぎ実施しました。今回はフォローアップ講座ということもあり、あおもりグローバルアカデミーのOB・OG、11名も交えた賑やかな講座となりました。

テルミさんからダイバーシティについての講義を受けた後、グループに分かれて「ダイバーシティの視点を取り入れた青森の魅力を活用した新たなビジネスプラン」を考え、提案し合い、投資したいグループに投票。3時間に及ぶプログラムでしたが、価値や顧客ニーズ、パートナー、費用対効果などといった、事業を企画する中で重要なポイントを押さえた実践的でわかりやすい、大満足の内容でした。

グローバルビジネス01

 

グローバルビジネス02

 

●世界、青森を知る講座(1)(フォローアップ講座併催)

タイトル:あおもりグローバルアカデミー修了生によるトーク-青森から世界とつながる-

講師:Aomori Global Academy Inspiring Network(AGAIN) 竹中 恵理 氏、蝦名 雄三 氏、川村 真吾 氏

4月に発足した、あおもりグローバルアカデミー修了生の会のメンバー3人が、これまでの経験やクロスロード、グローバルアカデミーに参加した理由、参加した後の行動について、たくさんの写真を交えながらトークを繰り広げました。

外国語指導助手として本県に赴任する外国人たちに、青森の良さをたくさん知ってもらおうとサークルを立ち上げ活動する川村さんや、県庁職員でありながら青年海外協力隊として活動した蝦名さん、そして世界青年の船やインドへの留学といった自身の体験から感じるグローバルに対する思い語った竹中さん。

彼らの実体験や率直な思い、そして今の活動を聴いた参加者からは、「行動力のある人と貴重な経験をした人の話を聴いて、将来自分も思い切った人生を歩みたいと思った。」、「気持ちがあればやれる。」、「英語が話せなくても行動1つで大きく変わることが伝わった。」など、これからの自分自身に活かしていきたいという言葉が多く寄せられていました。

AGAIN01

 

AGAIN02

 

AGAIN03

<2日目>
 11月21日(日)

●異文化コミュニケーション講座(3)

「Culture and Communication」

講師:グレゴリー・アンソニー 氏(八戸学院大学准教授)

講師補助:エイダン・モリソン 氏(三沢市英語通訳)

モーガン・ゾラー 氏(三沢市ALT)

レイチェル・ハドソン 氏

(メリーランド大学ブリッジプログラムインストラクター)

アメリカ人と日本人の間のコミュニケーションにおける一般的な違いと、そしてそれらの国の文化がどういった影響を与えているのか理解することに焦点を当てた講座です。なぜコミュニケーションの仕方に違いが生まれるのかを意識することで、誤解を招くことなく、円滑なコミュニケーションを図ることができます。参加者は、日本滞在3~25年といった様々な経歴をもつ4人のアメリカ人講師による講義やパネルディスカッションを通じて、日本人とアメリカ人との考え方や物事の受け止め方の違い、互いに対する印象、そしてそれ以上に共通点もあることを知ることができました。参加者の皆さんは英会話にも慣れてきて、「もっと時間が欲しい!」「新たな気づきが多かった。」といった感想が多く寄せられました。

異文化05

 

異文化06

 

●世界、青森を知る講座(2)

タイトル:Never too late~これまでの道のり~

講師:県立八戸第二養護学校 教諭 小野 裕樹 氏

車いすバスケットボール国際審判員としての一面ももつ講師による講演。教員や審判員を志すに至った経験や東京パラリンピックでのエピソードを交えながら、障害とは果たして特別なことなのか、多様性を受け容れることとはどういったことなのかについてお話しいただきました。参加者からは「たまたま目に見えて障害があるように思うだけで、ベースは皆同じ、という言葉がとても心に残りました。」、「自分の行動次第で可能性は変わっていくことを知りました。」といった感想が寄せられました。

世界青森01

 

世界青森02

【第3回セミナー】

 

 <1日目>
 12月11日(土)

●異文化コミュニケーション講座(4)

講師:グレゴリー・アンソニー 氏(八戸学院大学准教授)

講師補助:エイダン・モリソン 氏(三沢市英語通訳)

いよいよ第1回セミナーから準備を重ねてきたフィールドワークの日を迎えました。「青森県の隠れた魅力を外国人に知ってもらうにはどうしたら良いか」というテーマに対し、「Camping(キャンプ)」、「Outdoor Activities(アウトドアアクティビティー)」、「Changes in interests between first arrival and long-term residence(初めて青森に来た方とと長期間お住いの方との間における興味対象の違い)」と3つのグループがそれぞれトピックを決め、外国人へのインタビュー調査を行ってさらに探求します。参加者は、外国人ボランティアに対してどのように声掛けするのか?どういった道具を使用するのか?インタビューの効果的な質問の方法は何か?など、最終確認に余念がありません。

異文化07

 

異文化08

 

異文化コミュニケーション講座(5)「フィールドワーク」

講師:グレゴリー・アンソニー 氏(八戸学院大学准教授)

講師補助:エイダン・モリソン 氏(三沢市英語通訳)

第1回セミナーからの異文化コミュニケーション講座の総仕上げ、いよいよ実践課題に挑戦です!外国人ボランティア30名に協力いただいて、2時間にわたるフィールドワークを行いました。

参加者は英語や視覚的な工夫を凝らした道具を使って、各々のトピックに沿ったインタビュー調査を行います。自分たちの予想通りの答えが返ってきたり、全く予想外の反応だったり、新たな問題点を知ったりと、新たな気づきを得ることができました。普段交流する機会の少ない外国人の方々との英語でのコミュニケーションに初めは緊張していましたが、最後は、様々な話題で盛り上がり、時間が足りないくらいでした。参加者の皆さんは、チャレンジすることの大切さや英語力に自信はなくても、チームの力で乗り切ったことによる達成感をつかんでいたようでした。

フィールドワーク01

 

フィールドワーク02

<2日目>
 12月12日(日)

●異文化コミュニケーション講座(6)「プレゼンテーション」

講師:グレゴリー・アンソニー 氏(八戸学院大学准教授)
講師補助:エイダン・モリソン 氏(三沢市英語通訳)
レイチェル・ハドソン 氏
(メリーランド大学ブリッジプログラムインストラクター)
日本語と英語によるフィールドワークの成果発表です。
グループごとに発表内容をまとめ、パソコンや模造紙などを使ってわかりやすく前日のフィールドワークでの調査結果を発表していました。グループごとに調査方法や発表方法などアプローチの仕方が異なり、お互いにとって深い学びの場となりました。
緊張を楽しむ余裕も生まれてきたようで、和気あいあいとした雰囲気の中、進みました。
また、自分以外の班の発表に対しても、積極的にメッセージやアドバイスを送る様子が見られ、参加者の自発性や自ら問題を提起して考える力が増しているように感じられました。

プレゼンテーション01

 

プレゼンテーション02

 

●世界、日本を知る講座(2)

タイトル:支援の現場で学んだ、ひと・チーム・世界の変え方
講師:認定NPO法人テラ・ルネッサンス 創始者/理事 鬼丸 昌也 氏
講師自身が学生時代にカンボジアを訪れ、地雷被害の現状を知った経験談や、「すべての生命が安心して生活できる社会の実現」を目指してテラ・ルネッサンスが取り組んでいる活動事例(子ども兵の社会復帰支援や地雷除去のための資金援助等)、アフリカの現状を知りました。参加者は、誰でも世界を変えることができる可能性を持っていること、私たちは微力ではあるが無力ではないこと、世界はどこかじゃなく、今いる場所であり、今の自分にできることは何なのかなど、グローバルに活動するということの本質について、改めて考えさせられました。

また講師からの熱いメッセージから、一歩踏み出す勇気をいただいた参加者も多かったようです。

世界日本03

 

世界日本04

 
●修了式

全3回にわたって実施したあおもりグローバルアカデミー2021。実行委員会の三浦文恵会長から総評をいただき、15名全員が修了証を受け取ることができました。集合写真を撮影する際に見せてくれた皆さんの晴れやかな笑顔が、セミナーを通じて得た充実感を物語っていますね。(撮影時のみマスクを外しています。)

 

 

セミナーに参加した方の声:
・学びと実践のつながりがとても良かったです。
・全体的に普通に暮らしていたら聴けない講座ばかりで楽しかったし、ためになりました。
・行動しよう!という気持ちがとても強くなりました。
・英語やグローバルだけでなく、多くの視点や分野について学べたことがとても楽しかったです。

・最初は勉強、と気構えていましたが、周りの方のおかげや講座の雰囲気がゆるやかで楽しめました。

 

集合写真