三沢市には現在、民俗芸能保存会が10団体あります。古くからそれぞれの地域で代々継承されてきた伝統ある民俗芸能の由来や演目などをご紹介します。なお、毎年1月、市公会堂で各団体が出演する民俗芸能公演会が開催されます。

1.塩釜神楽保存会 6.浜三沢駒踊保存会
2.織笠神楽保存会 7.豊年踊保存会
3.山中神楽保存会 8.岡三沢神楽保存会
4.根井神楽保存会 9.岡三沢鹿子踊保存会
5.浜三沢神楽保存会 10.四川目神楽保存会

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 1.塩釜神楽保存会

 塩釜は、文久年間から明治初頭にかけて集落の形態が整いました。出身地の異なる移住者が多かったため、明治15年頃村落のまとまりを図るため神楽を導入することになったようです。最初の師匠は、九戸郡江刺家村(現一戸町)の人で道地岩松氏、獅子頭の製作は、やはり水の工匠とのみ伝わり名前は不詳で、材料は桐材です。伝承されている神楽舞は、権現舞、三番一叟、二本剣、五本剣、虎の口、山ノ神、八幡、三宝荒神、両剣舞、締切居士、ほか狂言多数です。昭和48年4月25日「鶏舞」が市指定無形民俗文化財に指定されました。

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 2.織笠神楽保存会

 明治17年稲荷神社が建立され、毎年旧暦の10月15日をご縁日として神楽を舞ったという伝承があります。織笠神楽は三沢では珍しく八戸系統の神楽ですが、演目が少なく神楽舞のほかは、恵美須舞、杓子舞が舞われています。特徴的なのは、イワシ漁の網引きのさまを盆踊りにした北浜音頭で作詞は地元の織笠小学校に在職した中野渡校長(昭和5年~11年)で、厚いケヤキの木の皮をアマネの木で打ち拍子をとります。獅子頭は、慶応3年に彫られたといわれています。昭和56年3月25日「神楽舞」が市指定無形民俗文化財に指定されました。

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 3.山中神楽保存会

 塩釜神楽と同じく最初の師匠は九戸郡江刺家村の人といわれているが詳細は不明です。鶏舞、権現舞、盆舞、三番叟などの演目がありますが、特徴的なのは若い主婦たちにより神楽が継承されていることです。明治12年の神楽本が現存しており、古くから神楽が舞われていたことがわかります。平成5年2月6日「鶏舞」が市指定無形民俗文化財に指定されました。

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 4.根井神楽保存会

 神楽は獅子舞と呼ばれ、正月や小正月などに演じられてきましたが、3月15日の熊野神社の祭日に行うものが最大で、周辺住民も見物に来ていました。熊野神社の最初の建物は山火事の際焼失し、天保2年に再建されています。明治12年以来の神楽本が多数残されています。昭和48年4月25日「山ノ神」が市指定無形民俗文化財に指定されました。

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 5.浜三沢神楽保存会

 浜三沢の神楽は、昭和18年のコレラ流行の翌年、悪霊を払い、健康と安全を願う村人が、十和田の切田に伝わる神楽を習得したのが始まりです。獅子頭は二つあり、一つは浜三沢神社に安置され、もう一つは別当宅に保管されている。神楽面は、黒色尉面、荒舞面、つりあご面、般若面等18面があります。昭和43年以来演じられていたものは、権現舞、庭鎮の二つでです。昭和48年4月25日「権現舞」が市指定無形民俗文化財に指定されました。

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 6.浜三沢駒踊保存会(県指定無形民俗文化財)

 浜三沢は、南部藩九牧の一つである木崎野の中心地で寛永18年(1641年)10月この牧の制が定まりました。宝暦5年(1755年)秋、御野馬別当一戸五右衛門という人が駒踊りの一向10名を三戸から木崎野牧に連れてきて踊りを習わせたのが始まりといわれています。踊りの種類は、駒のりの舞、総太刀の舞、七つ道具の舞の3種類です。昭和34年10月6日、「浜三沢南部駒踊」が県指定無形民俗文化財として指定されました。

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 7.豊年踊保存会

 浜三沢で正月または民家の祝い事のある席で舞われた豊年踊りは、およそ200年位前から由来のわからないまま踊り継がれてきました。大正時代からほとんど踊られなくなったものを、古老たちが部分的に知っているのを聞いて復元し、三沢小学校100年祭を機に演じられ現在に至っています。踊りの節は(1)代かき、(2)苗とり、(3)田植え、(4)草取り、(5)稲刈り、(6)稲こき、(7)俵詰め、(8)餅つきの八節から成っており、笛、太鼓、手平がねと9名の踊り衆で踊られます。「豊年踊り」は平成5年2月6日市指定無形民俗文化財に指定されました。

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 8.岡三沢神楽保存会(県指定無形民俗文化財)

 岡三沢は、古い集落で江戸時代には巡検使もここを休息、昼食の場としていました。古い修験宗徒の子孫である野々宮家に伝えられたもので、市内の他の神楽は三拍子ですが、この神楽は五拍子なので移入経路は別と思われます。荒舞をよくしますが、権現舞は正月の門打ち、また家の新築のときの屋固めに舞われていました。弔いの踊り「墓獅子」もかつて舞われていました。平成22年7月21日「岡三沢神楽」が県指定無形民俗文化財に指定されました。

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 9.岡三沢鹿子踊保存会

 岡三沢鹿子踊りは四頭一組(雄鹿一頭、雌鹿一頭、赤鹿子、黒鹿子)子鹿一頭を基本とし、計十三頭の鹿子によって演じられます。踊りの形態は、円陣をつくり、鹿の庭入れから始まり、子鹿飼いなど一周ごとに踊りが変わり十三座から構成されています。鹿子踊りの歌、役鹿子の歌、腰引く歌があります。平成5年2月6日「鹿子踊」が市指定無形民俗文化財に指定されました。

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 10.四川目神楽保存会(現在、休止中)

 四川目の獅子舞は、祭神八幡大権現、階上町の赤松家に伝わったもので160年ほど前に赤松家より分家した際、獅子頭を戴いた四川目宮古家に代々まつっているものです。獅子頭は、文政7年(1847年)彫師一屋弥右衛門作のものと、大正4年彫師不詳、昭和45年六戸町上吉田、中村丑作の三頭です。明治26年の神楽本の演目は、権現舞、番楽太郎、翁、三番叟、三本剣、鶏舞、稲刈舞など十九曲もありました。

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