○三沢市議会基本条例

平成30年3月16日

条例第19号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第3条―第7条)

第3章 市民と議会の関係(第8条―第11条)

第4章 議会と市長等との関係(第12条―第16条)

第5章 会議の運営(第17条―第20条)

第6章 議会の機能強化(第21条―第24条)

第7章 議会及び事務局の体制整備(第25条―第28条)

第8章 議員の政治倫理(第29条)

第9章 議員定数及び議員報酬(第30条・第31条)

第10章 危機管理(第32条)

第11章 議会改革の推進(第33条―第35条)

附則

私たちの住む三沢市は、東は太平洋、西は小川原湖に囲まれ、豊かな大地の中で、安全・安心で美味しい農・畜・水産物を育む自然豊かなまちです。また、人類史上初となる太平洋無着陸横断飛行の出発地でもあるこの地は、「大空のまち」として、また基地との共存共栄により育まれた「国際色豊かなまち」として発展し、今日にいたります。

私たち、三沢市民(以下「市民」という。)から選ばれた議員により構成される三沢市議会(以下「議会」という。)には、同じく市民から選ばれた三沢市長(以下「市長」という。)とともに、議会は合議制の機関として、市長は独任制の機関としてそれぞれの異なる特性をいかし、ときに競い合い、ときに協力し合いながら、市民福祉の向上と地域の発展という共通の使命が課せられています。

その使命を果たすため、議会は、市民からの意見を的確に把握し、その声を市政へ反映させなければなりません。そのためには、議員一人ひとりが資質の向上に努め、議会活動と議決権の重要性を認識しながら議員間討議を進めるとともに、自らの創意と工夫による市民との協調のもと、より良い三沢市のまちづくりの推進を目指して、行政の監視や政策の提言等をしていく必要があります。

このため、議会は市民の意思を代弁する合議制機関として、公平性、透明性、高い倫理性を確立させ、市民に開かれた信頼される議会、市民とともに歩む議会を目指して、ここに三沢市議会基本条例を定めます。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、議会及び議員の活動原則を明らかにするとともに、市民と議会及び議会と市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)との関係その他議会に関する基本的事項を定めることにより、二元代表制のもと、市民の負託に的確に応え、もって市民福祉の向上及び市勢の発展に寄与することを目的とする。

(最高規範性)

第2条 議会は、この条例を議会における最高規範と位置づけ、議会に関する他の条例、規則、規程等の制定又は改廃にあたっては、この条例の趣旨を尊重し、この条例に定める事項との整合を図るよう最大限考慮しなければならない。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第3条 議会は、第1条の目的を達成するため、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 公正性及び透明性を確保するとともに、市民に対する情報提供及び情報公開を推進し、開かれた議会運営に努めること。

(2) 市長等により適正な市政運営が行われているかを監視し、評価するとともに、政策立案及び政策提言の強化に努めること。

(3) 市民の多様な意見を的確に把握することに努め、市政に反映させるとともに、市民にわかりやすい議会運営に努めること。

(4) 議決責任を深く認識し、市民への説明責任を果たすこと。

(議員の活動原則)

第4条 議員は、前条の規定を踏まえ、次に掲げる原則に基づき活動するものとする。

(1) 議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを認識し、議員相互間の自由な討議を重んじ、また推進を図ること。

(2) 議会の構成員として、一部の団体及び地域の代表にとどまらず、市民全体の福祉向上のため活動すること。

(3) 市政の課題について市民の意見を的確に把握するとともに、自己の資質を高める不断の研鑽により、市民の代表者として、ふさわしい活動をすること。

(会派)

第5条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができる。

2 会派は、政策を中心とした同一の政治理念を有する2名以上の議員で構成しなければならない。

3 会派は、議会運営、政策立案及び政策提言等について、必要に応じ会派間で調整を行い議会での合意形成に努め、円滑な議会運営を図るものとする。

(議員連盟)

第6条 議員は、特定の政策や課題について調査及び研究を行うため、賛同し共同して調査及び研究を行う団体(以下「議員連盟」という。)を結成することができる。

2 議員連盟の調査及び研究は、特定の政策や課題に関する議員間の共通認識が深められるよう努めるとともに、可能な限り広く会派を超えた議員の参加により、活動するよう努めるものとする。

(議長及び副議長)

第7条 議長は、議会を代表する立場として、公平で中立な立場で活動を行うものとする。

2 副議長は、前項に規定する議長と同じ立場で、議長を補佐し活動を行うものとする。

3 議会は、議長及び副議長の選出にあたって、所信を表明する機会を設けるものとする。

4 前項に関し必要な事項は、別に定める。

第3章 市民と議会の関係

(市民参加の促進)

第8条 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第115条の2に規定する公聴会制度及び参考人制度を積極的に活用するものとする。

2 議会は、請願及び陳情を市民による政策提案と位置付け、その審査等に当たって、提出者が希望する場合又は議会が必要と認める場合は、提出者が意見を述べる機会を設けるものとする。

(情報公開と広報広聴活動の充実)

第9条 議会は、開かれた議会運営に資するため、次に掲げる会議等を原則として公開するものとする。

(1) 定例会又は臨時会の本会議

(2) 常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会

(3) 三沢市議会会議規則第159条に規定する協議又は調整を行うための場及び決定により設けられる協議等の場

(4) 各派交渉会

2 議会は、多くの市民が議会と市政に関心を持ってもらうよう多様な手段を活用して広報及び広聴活動に積極的に努めるものとする。

(市民との連携)

第10条 議会は、市民又は市民団体等と議員が自由に情報や意見を交換し議会活動へ反映させるため、意見交換会を年1回以上開催するものとする。ただし、災害その他やむを得ない理由により開催が困難であると認められる場合は、この限りでない。

2 議会は、広く市民に対し議会の活動状況を報告するため、必要に応じ、議会報告会を開催することができる。

3 前項に関し必要な事項は、別に定める。

(令3条例10・一部改正)

(政策討論会)

第11条 議会は、市政に関する重要な政策又は課題に対し、共通認識及び合意形成を図り政策立案及び政策提言を推進するため、必要に応じ、市民を対象とした政策討論会を開催するものとする。

2 前項に関し必要な事項は、別に定める。

第4章 議会と市長等との関係

(市長等との関係の基本原則)

第12条 市民の直接選挙により選ばれた議員により構成される議会と市長は、二元代表制の実現に向け、互いに対等な立場で緊張関係を維持し、市長等の事務の執行の監視及び評価を行うとともに、政策立案及び政策提言等を通じ、市政の発展に取り組むものとする。

2 議会は、前項の活動を円滑に進めるため、市長等に対し積極的に市政に関する情報提供を求めることができる。

(重要政策等の説明)

第13条 議会は、市長等が提案する重要な政策等について、議会の議決責任を担保するために、必要があると認めるときは、市長等に対して資料及び説明を求めることができる。

2 議会は、前項の規定により求めた資料及び説明に基づき、具体的な論点又は争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価の視点を踏まえた審議に努めるものとする。

(議決事件の追加)

第14条 議会は、議決機関としての機能強化のため、法第96条第2項に規定する議決すべき事件を定めることについて、積極的に検討するものとする。

2 前項の規定に基づく議会の議決すべき事件については、三沢市議会の議決すべき事件を定める条例(平成24年三沢市条例第25号)で定める。

(一問一答による質疑応答)

第15条 議会は、議会の一般質問及び常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)における質疑(以下「質問等」という。)において、論点及び争点を明確にするため、一問一答方式による質疑応答を行うことができる。

(反問権)

第16条 市長等は、質問等に対して、論点及び争点を明確にするため、議長又は委員長の許可を得て、質問等の趣旨を確認するため、反問することができる。

第5章 会議の運営

(自由論議による合意形成)

第17条 議会は、言論の府であることを十分に認識し、議決権の行使並びに政策立案及び政策提言を行う場合には、議員相互の自由論議を中心に討議を行い、少数意見も尊重しながら、議会としての合意形成に努めるものとする。

(委員会の活動)

第18条 委員会は、より具体的で専門的な調査及び審査を行うため設置していることを鑑み、各々の所管事務調査及び審査等を積極的に行い、委員間における討論を通して合意形成を図り、政策立案及び政策提言に努めるものとする。

2 委員会は、前項に基づく調査及び審査等の経緯及び結果について、議会の広報誌等により市民に周知するものとする。

(政策検討会)

第19条 議会は、第11条の規定に基づく政策討論会を開催した場合、政策立案及び政策提言を推進するため、政策検討会を開催するものとする。

2 前項に関し必要な事項は、別に定める。

(全員協議会)

第20条 議長は、議案の審査、議会の運営及び市政における課題等に関し、協議又は調整を行うため、法第100条第12項の規定に基づく協議等の場として、全員協議会を設置するものとする。

2 前項の全員協議会の運営その他必要な事項については、三沢市議会全員協議会規程(平成25年三沢市議会規程第3号)の定めるところによる。

第6章 議会の機能強化

(政務活動費)

第21条 会派及び議員は、政策立案能力及び政策提言能力の向上等を図るため、法第100条第14項に規定する政務活動費を有効に活用し、積極的に調査研究等を行うものとする。

2 会派及び議員は、政務活動費を適正に執行するとともに、使途の透明性を確保しなければならない。

(ICTの活用)

第22条 議会は、ICT(デジタル社会形成基本法(令和3年法律第35号)第2条に規定する情報通信技術をいう。)を積極的に活用するものとする。

(令3条例25・一部改正)

(調査機関の設置)

第23条 議会は、議案の審査及び市長等の事務等に関して調査の必要があると認めるときは、議決により、法第100条の2の規定に基づき、学識経験者等で構成する調査機関を設置することができる。

2 前項に関し必要な事項は、別に定める。

(議会アドバイザーの設置)

第24条 議会は、議会改革等の推進を目的として、必要に応じて議会アドバイザーを置くことができる。

2 議会アドバイザーは、議会全般に対し、専門的な知識及び経験等を踏まえて、助言、提言及び指導等を行うものとする。

3 議会は、議会アドバイザーに対し、前2項の目的を達成するため必要な情報及び資料を提供するよう努めるものとする。

4 議会アドバイザーに関し必要な事項は、別に定める。

第7章 議会及び事務局の体制整備

(議員研修の充実強化)

第25条 議会は、議員の政策立案及び政策提言等に係る能力の向上を図るため、研修の充実に努めなければならない。

2 議会は、初当選議員に対し、この条例のほか議会の基本事項等について、研修会を開催するものとする。

3 前2項に関し必要な事項は、別に定める。

(議会図書室の充実及び適正な管理運営)

第26条 議会は、議員が調査及び研究等を十分に行うことができるよう、議会図書室の充実強化及び適正な管理を図らなければならない。

(議会事務局の体制整備)

第27条 議会は、議会機能の充実並びに議員の政策立案及び政策提言等に係る能力の向上を図るため、議会事務局の調査機能及び法務機能の強化並びに組織体制の整備に努めなければならない。

(議会費の確保)

第28条 議会は、議事機関としての機能を確保するとともに、より円滑な議会運営を実現するため、必要な予算措置を講ずるよう市長に求めるものとする。

第8章 議員の政治倫理

(議員の政治倫理)

第29条 議員は、市民の代表者であることを自覚し、高い倫理観を持ち、品位の保持に努めるものとする。

2 前項に関し必要な事項は、別に定める。

第9章 議員定数及び議員報酬

(議員定数)

第30条 議員定数については、三沢市議会議員定数条例(平成15年三沢市条例第22号)で定める。

2 議員定数の改定に当たっては、人口、社会情勢、将来の展望等を十分に考慮するとともに、市民からの意見等を参考に検討するよう努めるものとする。

2 議員報酬の改定に当たっては、人口、社会情勢、将来の展望等を十分に考慮するとともに、市民からの意見等を参考に検討するよう努めるものとする。

第10章 危機管理

(危機管理)

第32条 議会は、災害等の不測の事態から市民の生命、身体及び財産を守るとともに、緊急時において総合的かつ機能的に活動できるよう、市長等と協力し危機管理体制の構築に努めるものとする。

2 前項に関し必要な事項は、別に定める。

第11章 議会改革の推進

(検証及び見直し)

第33条 議会は、この条例の目的が達成されているかどうかを2年ごとに検証するとともに、評価を行い、必要があると認めるときは、見直しを行うよう努めるものとする。

2 議会は、前項の規定に基づき、この条例が社会情勢及び市民からの意見等を十分に配慮した結果、制度等の改善が必要と判断した場合は、この条例の改正を含め、適切な措置を講じるものとする。

3 検証及び見直しに関し必要な事項は、別に定める。

(令3条例10・一部改正)

(三沢市議会改革推進会議の設置)

第34条 議会は、前条の規定による検証等を行うとともに、議会改革を継続的に推進するため、議員で構成する三沢市議会改革推進会議を設置するものとする。

2 三沢市議会改革推進会議に関する事項は、別に定める。

(第三者評価)

第35条 議会は、議員定数及び議員報酬その他議会に関する活動に関して、第三者評価を実施するよう努めるものとする。

2 第三者評価に関する事項は、別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成30年4月1日から施行する。

(検討)

2 議会は、第21条に規定する政務活動費について、社会経済情勢、本市の行財政改革への取組み等を総合的に勘案し、当分の間支給しないものとするが、必要があると認めるときは、この規定について検討を加え、その結果について必要な措置を講ずるものとする。

(令和3年条例第10号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和3年条例第25号)

この条例は、令和3年9月1日から施行する。

三沢市議会基本条例

平成30年3月16日 条例第19号

(令和3年9月1日施行)

体系情報
第2編
沿革情報
平成30年3月16日 条例第19号
令和3年3月23日 条例第10号
令和3年6月21日 条例第25号